【ガンズリポート】異例の長野開催にも結束 運営ボランティアやスタジアムグルメ平常通りに

鉄骨部材の一部落下で利用停止中のサンプロアルウィン(松本市神林)に代わり、長野Uスタジアム(長野市)で行われた10月26日のホーム試合・カマタマーレ讃岐戦。1週間前に会場が決まる異例の事態に、山雅の運営関係者は急ピッチで準備を進め、本番に臨んだ。
キックオフ4時間半前の午前9時半、Uスタのメインホールに山雅運営会社の社員やボランティア組織「チームバモス」のメンバーらが集まった。いつもはサンアルのメインスタンドで開かれる全体ミーティングだ。
小澤修一社長は「まさか長野でホームゲームを運営するとは思わなかった。支え合い、楽しみながらやりましょう」とあいさつ。同席したAC長野パルセイロのスタッフも「分からないことは気軽に声をかけて」と話し、山雅側は会場提供への感謝を口にした。
バモスのリーダーが「(いつも通り観客に)また来たいと思ってもらえるように」と呼びかけ、全員で「Uスタジアムへようこそ」と声出しし、持ち場へ散った。
コンコースには飲食店がずらり。この日はクラブ公式パートナーのニッスイ(東京)の製品を使った限定メニューが企画されていたこともあり、消防関連の手続きなどを急ぎ、サンアル開催とほぼ変わらない店数になったという。
長年出店する「バーデン・バーデン」(松本市)の池田浩社長(68)は「大変な時に応援してくれるスポンサーもいる。来た人に楽しんでもらい、いい経験にしてみんなで乗り越えるしかない」。
場内の山雅スポンサーの広告は、前日にあったAC長野の試合後、スタッフが深夜にかけて設置した。

雨が降り続く中、来場者は4170人。四方の観客席が屋根に覆われるUスタは「雨でも観戦しやすい」との声に加え、「応援が反響しメガホンのように飛び出す感じがした」と、夫婦で来た冨永和人さん(58、松本市)。「グルメの特別メニューも楽しめた。雨で来ようか迷ったが、シャトルバスのアクセスも良かった」と笑顔だ。
観客を送り出したバモスの吉田賢司代表は「今回は試合を通してフル参加するメンバーが多く、協力の度合いが高かった。結束が強まった気がする」と、緊急事態にも手応えを得た様子だった。
山雅の次のホーム試合は、12日に中止になったテゲバジャーロ宮崎戦。11月5日午後7時半から、J2ヴァンフォーレ甲府のホーム・JITリサイクルインクスタジアム(甲府市)で代替開催される。