【部活&クラブライフ】#21 松商学園高校箏曲部(松本市)

楽しむことを一番に

放課後の校舎周辺に、練習室から流れるみやびな音色。部員はいずれも未経験で入部した1、2年生9人。同校卒業生で創部者の一人、横山まり子さん(77)が技術指導顧問として週3日指導するほか、自主練習に加えて箏(こと)を自宅に運んで練習する部員もいる。
新入生歓迎会や文化祭で発表するほか、時には市内外の観光地や古い建物に出向いて演奏し、箏の魅力を伝えている。
今取り組んでいる曲は、県高校邦楽フェスティバル(11月21日、県伊那文化会館)で演奏する「春の詩集」。来年度の全国高校総合文化祭の出場校を決める大会で、三部合奏で県代表の座を目指す。
2年生の澤地柚葉部長(17)は「最初は戸惑う曲も、一つの形になると達成感がある。総文祭への思いは強いが、一番は楽しむこと」と笑顔。後輩を教えて半世紀になる横山さんは「短期間で大きく成長し、演奏を楽しむ姿を見るのが楽しい」と目を細める。