
松本市街地の井戸水は、場所によって水質(味)に違いがある―。松本平の水質調査を18年間続ける総合地球環境学研究所(京都市)上級研究員の藪崎志穂さん(50、大津市)が11月8日、松本市あがたの森文化会館で開く市民文化講座・サロンあがたの森で、こんな話題を提供する。
テーマは「多様性に富む松本市街地の井戸水─松本盆地の地下水の水質について」。
藪崎さんが松本で水質調査を始めたのは、「まつもと城下町湧水群」が環境省の「平成の名水百選」に選ばれた2008年。以来、毎年松本を訪れ、現在は市街地の井戸水や周辺の小河川、美ケ原高原などで2カ月に1度ほど採水を行い、松本盆地全体を含めて地下水や湧水などの水質の特徴、その流れについて調査を続けている。
松本市街地は女鳥羽川、薄川などにより形成された複合扇状地が広がり、地下に堆積する砂礫(されき)層にはたくさんの地下水がたまっている。特に松本城の総堀の東側一帯は地下水が集まりやすい場所だ。
藪崎さんは「市街地の井戸水(地下水)の水質を調べると、狭い範囲(1平方キロメートルほど)に分布するにもかかわらず、多様な水質の特徴が現れており、興味深い」。サロンでは「なぜ、こうした特徴を示すのか、松本盆地広域の水質の特徴と併せて紹介したい」という。
午後1時半~3時半。参加費200円(高校生以下無料)。事前の申し込みが必要。旧制高等学校記念館TEL0263・35・6226