
アーティストの大坪一道さん(58、大町市社)は9日まで、作品展「Works1988-2025Vol.2」をギャラリーノイエ(松本市大手3)で開いている。撮影した写真をトリミングして切り出したり、色を変えたりなど「写真のままでは見えない色、形をあぶり出した」(大坪さん)作品などが並ぶ。
4月に1回目を開催。今回は50点以上を展示する。
「虹の気配」は、線路脇の陸橋の階段を撮った写真がベース。カメラの裏ぶたが空いて感光してしまったが、それが「面白くてきれい」と、カラーコピー機を使って虹色になるようにピンクを入れ、影の部分をグレーにし、日が当たった部分を金色にするなどして仕上げたという。
「唐突な脱出ゲーム」は、米ハリウッドの子役の古いブロマイドのコピーと、廃材と組み合わせた立体的な作品だ。
大坪さんは高校卒業後、美術大受験のため上京。幅広いデザイン、アートに触れ、現代美術の実験的で斬新な表現に魅了された。3浪の末、東京芸術大美術学部デザイン科に入学。そのお祝いにカメラをもらい、作品の素材集めとして壁のひび、風景などの撮影を始めた。
「写真を使って何か面白いことができないか」。その思いが核になり、カラーコピー機を使って色を変えたり、木材やアクリル板を組み合わせたりなど、さまざまな表現に挑戦。独創的な世界を生み出している。
大坪さんは「美術は『何でもあり』。こういった作品にぜひ合いに来て」と話している。
午前11時~午後5時半。ノイエTEL0263・87・7077