
安曇野市堀金三田のNPO法人「WHITE CANVAS」は8日から、「鉄」をテーマにした作品展を、安曇野髙橋節郎記念美術館(同市穂高北穂高)で開く。ものづくりの楽しさと感動は世界共通言語−と、国籍や性別、障がいの有無などに関係なく、純粋にものづくりを楽しむ人たちの作品が並ぶ。13日まで。
国籍の違いや障がいの有無超え
同NPOは、障がい者の生活介護事業所「TIME WARP」を運営し、ものづくりや芸術活動を通して、地域との関わりの創出を目指し活動している。
10月初旬、「鉄」をテーマにしたワークショップ(WS)が同法人で開かれた。鉄作家の小沢敦志さん(東京都)を講師に、利用者や外国人ボランティア、地域住民ら17人が参加した。
自転車のペダルや扇風機の金網などの鉄廃材を熱し、金づちで思うがままにたたき、形を変化させるというシンプルな体験。参加者は、思い切りたたいてぺちゃんこにしたり、真剣な表情で小さくたたきながら形を整えたりしていた。
作品展は、WS参加者の個性あふれる作品と、穴が開いていたりねじれていたりする鉄の模様を版画や粘土に生かして新たに生まれたアート作品、約100点を展示する。
「一人一人に個性あり表現ある」
さまざまな人が参加したWSでは、母国語の違いがあったり話すことが苦手な人がいたり。言葉が通じない場面もあったが、全員が共通の「ものづくり」を通して、違いを理解しながら楽しむ豊かさと温かさがあり、和気あいあいとした雰囲気で制作に打ち込んだ。石岡享子代表(45)は「その人の背景や属性は関係なく、一人一人に個性があって表現がある」と話す。
展示は、さまざまなアーティストを招き、芸術体験を行うプログラムの一環で、「素材との原始的な体験」をテーマに3年目。県の芸術活動支援組織「信州アーツカウンシル」の助成事業で、過去2年は「陶芸」と「土絵の具」のWSを開いた。
「多様ですてきな個性を持った人たちが手がけたことを、イメージしながら見てもらいたい」と話している。
【WHITE CANVAS作品展】 8~13日午前9時~午後5時、安曇野市穂高北穂高の安曇野髙橋節郎記念美術館。「鉄」をテーマに地域住民や障がい者、外国人ボランティアが手がけた作品を展示。8日午前11時からギャラリートークショー。制作過程などについて石岡代表と小沢さんが語る。入場無料。月曜休館。