パン店とバスケ指導40年 松本・村井「八幡原ダンク」閉店へ 客や教え子惜しむ

松本市村井町南3のパン店「八幡原ダンク」が3月末、41年の歴史に幕を下ろす。オーナーの福嶋修さん(73)と妻の洋子さん(68)が切り盛りしてきたが、健康状態から閉店を決意した。長年、小学生にバスケットボールを指導した福嶋さん。店には閉店を惜しむ客や教え子が次々と訪れている。
店舗はJR村井駅前の商店街の一角。福嶋さんはここで生まれ育った。「何か商売がしたい」と20代後半で脱サラし、市内パン店で修業を積み、1984(昭和59)年11月に開店した。祖父が営んだ八百屋の屋号「八幡原」と、DUNKには中学から続けてきたバスケのダンクシュート、英語の(パンなどを)「浸す」の意味があり、合わせて店名にした。
看板商品は沖縄の塩とヨーグルト種を使った食パン。他に常時30種ほどの菓子パンや総菜パンを製造販売。市内の保育園や近隣の高校など約10カ所にも納め、業務用ピザ生地も製造している。
仕事の傍ら、地域の女子ミニバスケチーム「松本南部」(現RED PHOENIX)を設立。長年指導し、監督として全国大会にも導いた。2年ほど前に引退したが、40年近く朝4時半に起きて仕事をし、平日夜と日曜はミニバスケの指導と、全力を尽くしてきた。
昨年暮れに突然倒れ、意識をなくすなどの体調不良に何度か見舞われ、「販売先などに迷惑をかけられない」と閉店を決めた。子どもが3人いるが、「好きな道を選んで」と伝えた。
思い出は多い。商店街に活気があった頃は夏祭りの歩行者天国でにぎわい、ミニバスケの教え子が店を手伝ってくれた。洋子さんも、結婚後すぐに開店、子育てに追われた多忙な日々を振り返り、「こんなに大変とは思わなかったが、支え合いながらやってきた」とほほ笑む。
店内には開店当時の写真や、客がメッセージを書き込める「41年間ありがとう」のボードが飾られ、さよならムードが漂う。「地域の皆さんに支えられてここまで来た。感謝を伝えたい」と福嶋さん。最後の日まで丁寧にパンを焼き、客を迎える。