性教育が身近な社会に―安曇野・高山寺で産婦人科医や社会活動家ら3人がトーク

安曇野市豊科の高山寺で1月、「命を考えるお話会withマルシェ~SDGsと性教育を身近にしよう」(すこやかな未来を育み隊実行委員会主催)が開かれました。この中で産婦人科医や社会活動家ら3人が行った「コラボトーク」の一部を紹介します。
同実行委代表で産婦人科医の村山有美さん(松本市)、元衆院議員で社会活動家の堀越啓仁さん(埼玉県)、1人人形劇「がらくた座」主宰の木島知草さん(松本市)の3人が、それぞれの取り組みや考えを発表しました。
村山さんは2児の母。診療の傍ら性教育や栄養学、子育ての講座を開いており、「女性の一生に寄り添うような医師になりたい。オブラートに包まれた性教育では、望まない妊娠や性感染症、性被害を止められないのでこのイベントを企画しました」。
会場には若者が抱える性や体、心の悩みの相談に乗ろうと、松本地域の有志らが昨年9月に立ち上げた任意団体「ユースクリニックまつもと」のブースもあり、その共同代表でもある村山さんが活動について紹介しました。
木島さんは人形劇を通じて命の大切さを伝え、子どもが伸び伸びと育つ社会になることを願い、性の問題に真正面から取り組み、学校や保育園などで性教育の授業をしています。活動歴は54年。「性をタブーとせず、親と子で命について話し合えることが大切」と呼びかけました。
「性教育は人権教育」として全国で講演などを行っている堀越さんは、性教育の先進国オランダの事例を次のように紹介しました。
0~3歳は親子で性について話す関係づくりを考え、4~6歳は「ノー」とはっきり言える教育を教えている。やりたくないことは「嫌だ」と言える教育は性教育に限らず、いじめ問題などにも通じ、子どもを育てる上で非常に大事な価値観だ。
6~9歳は親や友達との関係が発達する時期と捉え、自分と他人の違いや人を好きになった時にどうすればいいのかを学ぶ時期。肌の色や男女など、価値観や文化風習が違う中で、誰もが平等であるべきという考えがあり、性教育は人が生きていく上で大切な哲学だと捉えている―。
堀越さんは「日本では性教育がタブー視されがちですが、広く人権教育として捉え、自分を守ったり、大事な相手を守ったりする手段として活用するべきでは。『あなたはあなたらしく生きていい』と、幼い頃から教えていくことが性教育にもつながる」と話しました。

参加者との質疑応答もありました。「性教育だけでなく夫婦でいろいろなことを話し合う時間も大切だと感じた」という感想に、堀越さんは「自分が死んだ時にどうしたいかも妻と話し合った。どちらか一方の意見を押し付けるのではなく、受け入れ合う対話が大事」と答えていました。
また、松本地域で性被害当事者の自助グループをつくり、活動している女性は、「県内に一つしかないので広めていきたい」。子どもからの性の質問についてどう答えるべきか考えてしまうという母親に木島さんは、「正解を考えるより、素直に話し合える親子関係をつくることが大事」とアドバイスしました。