
松本山雅FC(J3)は3月14日、明治安田J2・J3百年構想リーグ6節で、AC長野パルセイロ(J3)に5―0で完勝した。アウェーでの信州ダービー白星は、北信越リーグ時代の2007年以来。3―0で札幌(J2)に勝った前節に続き、今大会初の連勝で星を五分とした。
連続無失点も今大会初。開幕からフル出場を続け、この日は先制点も決めたDF白井達也は、昨季J3八戸で体感した石﨑信弘監督のチームづくりを振り返り、「この段階(6戦目)で無失点が続いたり、複数得点で勝てたりというのはなかなかなかった。今年は戦術の浸透が早いのかな」と手応えを口にした。
「前節もこの試合も前線の選手がよくボールを追い、球際で戦ってくれ、ルーズボールがこっちに来ている。そういうところが大事」と白井。
象徴的なのが「ただ追うんじゃなくて奪いに行く」と言うFW加藤拓己だ。背番号9は前半8分、DF金子光汰からのロングボールを追い、相手DF大野佑哉に収まりかけたところを競り勝ち、チーム2点目を決めた。
4年前は山雅の主力だった大野は「山雅がきつい練習を積み重ねているといううわさは聞いていたが、差を見せつけられた。サッカー人生で最悪のパフォーマンス」と声を落とした。
練習は厳しいだけではない。MF樋口大輝が語るのは信頼関係の構築だ。「ボールを奪いに行くと、絶対に後ろが(連動して)ついてくる。守備の出足が早くなる」
石﨑監督の手腕にファン・サポーターの信頼感も増す。試合後、ゴール裏から「ノブリン、ノブリン」と愛称のコールが起こった。あいさつに来た指揮官に、68歳の誕生日を祝って大合唱。前回のダービー敗戦後は当時の監督とサポーターの言い争いになった場が、8カ月後には一体感を醸す場になった。
名伯楽は手綱を緩めない。「チームづくりが順調とは言いたくない。もっともっとトレーニングしていかなければ」。21日、東B組でJ3勢最上位のFC岐阜とのホーム戦を見据えた。