松本・四賀地区民児OB中心にボランティアグループ結成 経験者支える地域福祉に期待

民生委員のなり手不足や地域の見守り体制の強化が課題となる中、経験者による新たな取り組みが始まった。松本市四賀地区で、民生委員・児童委員のOBらによるボランティアグループ「2022会」が昨年12月に発足し、地域福祉の担い手としての知見を生かした活動が本格化している。
会を立ち上げたのは、元市社会福祉協議会職員で四賀地区民児協会長の山岸勝子さん(75、五常)。今年1月から活動を始め、3月23日には2回目の勉強会を開催。住民から悩みを聞くには会話が大切と、「コミュニケーション」をテーマに人間関係について学んだ。
会のメンバーは2期目の現職を含めた60~70代の男女19人。交流を深めつつ、地域に住む高齢者の暮らしを支える。

地域の困り事 学びながら対応

民生委員と児童委員(民児)は、共に厚生労働大臣が委嘱するボランティアで、住民の中から選ばれ、生活の困り事(介護、子育てなど)の相談に乗り、必要に応じて行政や専門機関へつなぐ〝身近な相談役〟だ。
「2022会」は、名前の通り2022年に四賀地区で活動した民児OBを中心に結成された。当時、地区内27町会21人で構成される民児協では、定例会で自由に意見交換できる場づくりが進められ、委員同士の結びつきが強まったという。25年11月の任期満了を機に、「地域の課題に対して、学びながら活動を続けよう」と声が上がり、会の発足につながった。
メンバー19人のうち7人がスタッフとして運営を支え、隔月の勉強会を通じて知識の共有と交流を続けている。
山岸さんが民児を引き受けたのは22年。4年たった2期目も毎月、町内に住む65歳以上の必要とする高齢者宅を1軒ずつ安否確認を兼ねて訪問している。訪問を重ねる中で関係を築き、「守秘義務」を共有する他の民児や社協と連携しながら支援を進めてきた。3年かけて動き出したのが、ある高齢者宅にたまった生活ごみの片付けだった。生活の質の低下や火災の危険を防ぐため、関係者で知恵を出し合って対応している。
また、90代の父親を支える家族から、介護疲れの相談が寄せられた際には、ケアマネジャーを介して介護認定を受け、デイサービスの利用につながったケースもある。当初は通所を拒んでいた男性だったが、山岸さんが知人の通所日を調べて伝えると、自らの意思で通うようになったという。
スタッフの一人で勉強会の講師を務める滝澤秀夫さん(71、塩尻市洗馬)は元美術科教諭。会田中学校(松本市会田)で山岸さんの息子2人が所属した部活の顧問を務めた縁でつながった。膝を痛めたことをきっかけに福祉に関心を持ち、学びを深めてきた。現在は社協が借りる古民家で週1回開く高齢者向けの居場所で、スタッフ向けに講師を担当。「2022会」の運営にも携わっている。
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3月23日の勉強会には17人が集まった。まず、滝澤さんが部活顧問の経験を交えながら、人間関係の構築について解説。参加者は熱心に耳を傾けた。続いて社協職員2人が、四賀地区の福祉サービスの内容と利用状況、地区の実情や課題について説明した。
その後は3グループに分かれ、この会でやりたいことや経験談を話し合った。最後に出された意見を共有し合って終了。「時間はかかるがコミュニケーションを意識して続けたい」「民児を引き受けたものの意欲が薄い人もいる。役割について理解が必要」といった声が上がった。「参加したいボランティア活動が見つかった」と報告するメンバーもいた。
約2時間半にわたって行われた勉強会で得た成果は、今後の見守り活動や相談支援に生かされる。次回は5月に、高齢者向けの「送迎ボランティア」をテーマに開催する予定だ。