
不定期だが、3カ月に1度程度、安曇野市明科中川手の宮本公民館にオープンする「みんなのカフェ安曇野」は、「地域の縁側」だ。地元の老若男女が集まり、「元気だった?」などと声をかけ合い、サービスされるコーヒーや菓子の他、音楽の生演奏も楽しむ。有料老人ホーム愛光苑あづみのなどを運営する「みらいさい福祉会」(同)が「店主」だ。
昨年10月から始まり、14日は3度目のオープン。誘い合って来る地元の人、夫婦そろって、愛光苑の入所者など約40人が来店。他地区からの見学者もいた。
午前10時の開店前から並ぶ人もいて、客は店に入るなり、「元気だった?」「暖かくなったね」などと声をかけ合うのが恒例だ。
カフェのマスターは、同社の介護・看護事業部の小川崇仁課長(45)。コーヒー好きで、形から入りたいと自前で調達したちょうネクタイをきりりと締めた。
この日提供したコーヒーはブラジル。「インスタントでは味気ない。少しでもおいしく」と、自身で豆をひき、市販の粉とブレンドして入れる。
鈴木茂さん(77)、優子さん(72)夫妻は2回目の来店。「音楽の演奏が楽しみだった」と、この日ステージに立った中信地方でサックスの演奏活動をしている丸山高秀さんのジャズの生演奏をじっくりと聴いた。
池上文康さん(66)、裕子さん(52)夫妻は初めての来店。文康さんがジャズ好きで、「(カフェの開店を)回覧板で知った。たくさんの人が来ていて、和やかで良かった。また機会があれば訪れたい」と満足そうだった。
カフェは、みらいさい福祉会の地域貢献事業の一環。松本市浅間温泉の愛光苑松本地域交流センターで開く「みんなのカフェ松本」に続く2店目。
コロナ禍による人が集まるイベントの縮小や、隣近所の人間関係の希薄化など、地域課題の解決が目的で、目指すは、昔のコミュニティーを再構築した「地域の縁側」だ。
これまでに、子ども連れや高齢者など、幅広い年代層が来店し、異世代間交流も深まったという。このため7月の次回は、より幅広い年齢の人が参加しやすいようにと、週末の開店を予定する。
出かける場所があれば歩くこともできるし、話もできる。異世代の交流は、お年寄りは刺激になり、若者世代は先輩たちから社会性やコミュニケーションの取り方などを学ぶことができる。
来店者から募った協力金(100円)は、能登半島地震の義援金に充てている。小川課長は「要望があれば、毎月の開店も考える。今は女性が多く、男性も気軽に来られる工夫が課題」と話した。