思想家・金子文子を描いた映画 ロケ地松本で上映とトークイベント4月29日

国家権力に屈することなく己を貫き、100年前に23歳の若さで獄中で自死した思想家、金子文子(1903~26年)を描いた映画「金子文子 何が私をこうさせたか」が4月29日、松本市深志3のまつもと市民芸術館で上映される。松本でロケ撮影された作品で、上映後に浜野佐知監督と主演の菜葉菜さんのトークイベントがある。
父親が出生届を出さず「無籍者」となるなど、無責任な両親の元で過酷な幼少期を過ごした金子。9歳で日本統治下の朝鮮半島に住む祖母の家に引き取られるが、そこでも奴隷のように扱われる。差別や貧困、植民地下の暮らしの中から、無政府主義や虚無主義などの思想を獲得していった。
朝鮮の独立運動を目撃後、16歳で帰国。23年に関東大震災が起きると、同棲していた無政府主義運動家の朴烈と一緒に捕まり、皇太子殺害を企てたとされ死刑判決を受ける。
上映作は、死刑判決から自死までの121日間、獄中での刑務所長、教誨師、囚人、特高警察などとのやりとりを通じて、権威主義を否定し、自由や人間の尊厳などを訴えた金子の姿を描いた。
メインロケ地は松本。2024年秋、旧松本区裁判所庁舎などが残る市歴史の里や旧制松本高等学校校舎を残す市あがたの森文化会館などで撮影が行われた。
上映会は松本シネマセレクト主催。上映は午前10時と午後1時15分開演。各回アフタートークがあり、午前の回は芸術館芸術監督団の木ノ下裕一団長が聞き手を務める。
前売り1600円(シネマセレクトホームページから)、当日1900円、小~大学生千円。シネマセレクトTEL0263・98・4928