
課題浮き彫り 試される修正力
明治安田J2・J3百年構想リーグの地域リーグラウンドで、ともにJ3の松本山雅FCとAC長野パルセイロが対戦した信州ダービーは、2戦ともホームチームが零封負けを喫する結果となった。両チームともホームでのJリーグ戦ダービーの黒星は初めて。今年だけの特別大会で〝特別〟な歴史が刻まれた。
3月14日の長野Uスタジアムでの一戦は、山雅が5–0で快勝した。信州ダービー初陣を飾った石﨑信弘監督は、この日が68歳の誕生日。試合後、ゴール裏のファン・サポーターが「ハッピーバースデー」を合唱した。
一方、去る4月26日はサンプロアルウィンで長野が1–0で勝利。今度は34歳の誕生日だった長野MF近藤貴司が、祝福の歌に満面の笑みを浮かべた。
両試合で明暗がくっきりと入れ替わり、2戦目に苦杯をなめる側に回った山雅の主将・MF深澤佑太は「痛い1敗」と素直に認めた。
ダービーだからというだけではない。今大会初のホームでの90分負けで、J3相手に敗れたのも初めて。8試合ぶりの無得点で、開幕以来の連敗を喫した。右肩上がりだったチームづくりが、踊り場に立ったことを示す1敗だった。
いくつもの課題が浮き彫りになった。ロングボールを蹴ってくる相手に合わせて蹴ってしまい、セカンドボールの奪取で後手に回る、セットプレーから失点する―。前節の札幌戦や、それ以前から積み残していたことが、この日の黒星を招いた。
救いは選手も監督もそれを認識していることだ。この試合から15日間で5試合をこなす過密日程の中で、チームの修正力が試される。「正念場。自分たちはチャレンジャーであることを忘れてはいけない」と深澤。
昇降格がない特別大会の経験が、8月からのJ3リーグ戦の糧になる。

Jリーグ屈指のベテラン監督対決も
Jリーグ戦での指揮は、山雅の石﨑監督(68)が870試合目、長野の小林伸二監督(65)は740試合目。信州ダービーは国内屈指のベテラン監督同士の対決でもあった。
試合後、小林監督は「石﨑監督は(昨季まで率いた)八戸でいいチームをつくっていたが、山雅でも兆しが出ている」と評価。すると石﨑監督も敵将に「(3月末の就任から)短期間でここまでチームをつくり上げた」と賛辞を送った。
激戦を振り返り、「ダービーの後にチームが伸びるようになればいい」と小林監督。両将の手綱さばきと采配が、信州ダービーの見どころに加わった。