
麻績村に来たら、その魅力を肌で感じてほしい─。そんな思いで元村地域おこし協力隊員の関根由真さん(30)が4月、村の伝統工芸が体験できる「染織セトヤ」を始めた。まずは村内宿泊者を対象に、草木染と機織りの体験を提供し、手仕事を通じて村の豊かな時間に浸ってもらう。
会場は旧善行寺街道・麻績宿の本陣跡「瀬戸屋」。参加者は関根さんに教わり、手拭いや風呂敷を染めたり、イラクサ科の植物カラムシ(苧麻=ちょま)の繊維でコースターを織ったりする。
草木染はザクロやアカネ、カリヤスなどを煮出した染料で、割りばしやビー玉などを使って模様を描き出す。機織り機は本格的なもので、縦糸は苧麻、横糸は草木染した糸や端切れなどを選んで組み合わせる。
リトアニアから観光で日本を訪れ、村内に泊まって開業初日(4月9日)に草木染を体験したカップルは、「自分たちの国でもイースター(復活祭)の時期に染め物をする文化があるが、手法が違って面白い」。
関根さんは埼玉県出身。昨年末まで在籍した村協力隊で、伝統工芸で地域おこしを図る班のメンバーになり、草木染や機織り作品を作って販売するマルシェや、作り方を教えるワークショップ(WS)を開いた。
任期終了後も村に住み、グラフィックデザイナーとして主に村内の事業者から加工品のパッケージのデザインやパンフレット作成などを請け負っているが、「お客を案内できる、麻績らしさを感じられる場所が少ない」という宿泊業者らの声を受け、引き続き伝統工芸にも携わることにした。
「人が優しく自然も豊かな麻績が好き。泊まったついでに昔ながらの文化を体験してほしい」と関根さん。問い合わせはメール(weaving@hinatanoworks.com)で。
5月15、16日は村文化施設の信濃観月苑で、宿泊者でなくても参加できる機織りのWSを開く。両日とも午前9時半、午後0時半、2時半からの計6枠で、参加費1枠5000円。申し込みは信濃観月苑TEL0263・67・3933