
兄弟デュオ「狩人」のデビュー曲「あずさ2号」が、1977(昭和52)年に発売されてから約半世紀。歌詞には、東京と信州とを結ぶ国鉄(当時)の特急「あずさ」や、旅の目的地「信濃路」が登場し、哀愁を帯びた旋律で県民にも親しまれる。
「あずさ2号」はダイヤ改正時の号数見直しで姿を消したが、特急「あずさ」は民営化後も健在。原則1日1往復、大糸線にも乗り入れ、松本―白馬間を延長運行している。
大町市沿線も走った列車とヒット曲「あずさ2号」に思いを寄せ、豊かな水を主とした同市の魅力発信、大糸線利用促進などの起爆剤に―。6月7日、同市で「狩人スペシャルコンサート 信濃大町湖(みずうみ)物語」と題した催しが開かれる。曲と同市との関係性にも迫る内容だ。
車窓から望めた仁科三湖を映像作品に
6月7日に大町市文化会館で開かれる「狩人スペシャルコンサート 信濃大町湖物語」は、大町市民の有志でつくる実行委員会の主催。兄の加藤久仁彦さんと、弟の加藤高道さんによるデュオ「狩人」が、「あずさ2号」「コスモス街道」「アメリカ橋」といったヒット曲の数々を歌い上げる。
コンサート開演前には、15分ほどのオリジナル映像作品「湖物語」を上映する。かつての特急列車「あずさ2号」の車窓からも望めた木崎湖、中綱湖、青木湖の「仁科三湖」にスポットを当てた内容。湖の美しい景観や自然の映像、地元漁協組合長らへのインタビューなどを交え、同市の豊かな水の恵みや地域の暮らしを取り上げ、魅力を伝える。「あずさ2号」 の曲にまつわる特別な映像も盛り込まれるという。
会館ロビーや展示室では、仁科三湖やJR大糸線に関する写真、鉄道グッズの展示も行う。催しのサポートメンバー小林一矢さん(松本市)が所蔵する国鉄時代の初代「あずさ」181系車両のヘッドマークや、信濃大町駅のホーロー製駅名板といった貴重なものも並べ、鉄道への関心を呼んで利用促進にもつなげていく。
楽器製造のフジゲン(松本市)が製造した「あずさ2号」の曲などが流れるオルゴールの展示、視聴もある。
今も愛される歌で盛り上がり期待
大町市在住の実行委員の一人が「狩人」のファン。昨年、誘客や地域活性化を狙い、知名度の高い特急「あずさ2号」復活への機運を高めようと、市民有志の会が松本市で開いた狩人のコンサートに刺激を受け、大町での公演を発案した。
賛同者で実行委員会を立ち上げ、公演のみならず、あずさ2号が走った沿線の湖をはじめとした大町市の水の魅力を伝え、大糸線利用の拡大にも絡める内容とした。
実行委員長の諏訪光昭さん(74)は「年代を超えて愛される色あせない曲。音楽と鉄道の有益性を地域の活力として、盛り上がりを生みたい。大町の魅力を市外の人に認識してもらい、地元の人にも改めて目を向けてもらえたら」と話す。
「8時ちょうどのあずさ2号で―」。曲のヒットで、当時は「あずさ」号で信州を訪れる旅行ブームが起きたほどだった。昭和に生まれた列車と曲は、令和の今も多くの人の記憶に残り愛され続ける。催しは、その奥深い魅力の一端に触れる機会にもなりそうだ。
【狩人スペシャルコンサート 信濃大町湖物語】
6月7日午後3時、大町市文化会館。開演前には仁科三湖や大糸線関連の写真、鉄道グッズの展示、地元女性ボランティアグループによる食べ物の振る舞い、キッチンカーの出店など。ジャズダンスサークル「ザ・シャイニング」、「和太鼓 鳴桜」が共演するウェルカムパフォーマンスも。
総合司会はラジオパーソナリティー・フリーキャスターの武田徹さん。
チケットは前売り3000円、当日4000円。全席指定。未就学児入場不可。大町市文化会館ほかで販売。問い合わせは同館TEL0261・22・9988