
塩尻市立平出博物館(宗賀)は、同市教育委員会が昨年度行った、床尾住宅団地(同)の造成工事に伴う緊急発掘調査の、成果の一部を「掘ったら出た!~床尾中央遺跡発掘速報展~」で展示している。
当初は、縄文時代の遺物の出土が予想されたが、国史跡である平出遺跡と同様に縄文、古墳、平安という3時代にまたがる住居跡が70軒以上見つかった。考古学研究者らの注目を集め、県外からの来館者も多い。
展示は3月で終える予定だったが、5月24日まで延長することになった。展示品は約200点。空撮した発掘現場の縮小模型、大きな埋甕の実物と写真、斧や匙などの石器、土偶、勾玉、子孫繁栄を願って作られたとみられる石棒といった出土品が展示されている。
地元遺跡の高い潜在性感じて
塩尻市立平出博物館によると、床尾中央遺跡は、1994年に歩道拡張工事に伴う発掘調査を行った際、小面積(350平方㍍)にもかかわらず堅穴住居跡の遺構や多くの土器の遺物が発見されていた。今回は約4700平方㍍と範囲が広かったため、調査前から期待が大きかった。
特に目立った成果として、24点も発掘された埋甕が挙げられる。それぞれに異なる模様が施され、美術品のようだ。「(模様は)海外の土器にはなく、日本独特らしい」と館長の小松学さん(57)は語る。
さまざまな用途が考えられるが、亡くなった幼児を入れ魂の再生を願った「幼児埋葬説」や、出産時の胎盤を入れて子どもの健やかな成長を祈った「胎盤収納説」などが有力。現在、東京大の学生が甕の内側の残留物が「ヒト由来」であることが証明できないかと、DNA鑑定を進めているという。
また、東海地方に特徴的なS字甕(口縁の断面形がSの字に似ている、古墳時代前期などに作られた甕)や、駿河地域(静岡県中部)の様相を示す土器なども出土していることから、床尾中央集落に暮らした人々が広範囲に及ぶ交流を行っていたことが想像されるという。
2階の展示場へ上がる階段の手すりには、猛暑などの天候と闘いながら、5月から7カ月間の発掘を担った作業員約30人の写真が飾られている。
「整理作業もまだ途中ですが、地元の皆さんが最新成果を見て、床尾中央遺跡のポテンシャルの高さを感じてくれればうれしい」と小松さん。
入館料は大人400円、高校生以下無料。開館は午前9時~午後5時(入館は午後4時半まで)。月曜休館。TEL0263・52・1022