【ビジネスの明日】#82 松本マツダオート社長 林 勇次さん

車の可能性広げる新規事業に力

「お客が車を使うシーンにもう一歩、寄り添えないか、と考えた」。こう熱く語るのはマツダ車を中心とした自動車販売・整備などを手がける松本マツダオート(松本市平田東3)の林勇次社長(66)だ。約7年の構想を経て、異業種のキャンプ場の運営を目玉にした「Chill auto」事業を本格的に開始。「社員のモチベーションも上がっている」と力を込める。
「chill」は、英語の「chill out(落ち着く、リラックスする)」から派生し、まったりとくつろぐ、落ち着くなどの意味のはやり言葉。
この言葉を使った新規事業は3本柱で構成。
目玉は、今月末オープン予定の「Chill Base」という名称のキャンプ場の運営。場所は同市三才山の市美鈴湖もりの国オートキャンプ場の隣接地で同キャンプ場の指定管理者・柳沢林業(同市岡田下岡田)が造成した。
3組限定で、各キャンプサイトには、テントを張る広々としたウッドデッキを設営。テント、寝袋、テーブル・椅子、バーベキューセットなど、キャンプに必要な道具は全てそろえてあり、準備もする。お客は食材だけを持参すればよく、「こんな大きな木に囲まれたキャンプ場は珍しく、ちょっとぜいたくな、非日常が味わえるのでは」と自信を見せる。
残りの2本はキャンピングカーの製造・販売とレンタカー事業。
キャンピングカー事業は、マツダの商用車「ボンゴ」を中心にカスタムし、販売。レンタカー事業は、キャンピングカーとオープンタイプのスポーツカー・ロードスターという異なる個性の車を用意する。
この3本の柱を組み合わせ、キャンプやスポーツカーの楽しさをを提案。「自動車の使い方の可能性を広げ、お客のカーライフがもっと豊かになったら」と期待する。
6、7年前から、「車の販売・整備だけでなく、もう一歩踏み出して新たにやれることはないか」と、全社的に検討。社員らから出た意見などを集約、ブラッシュアップして「Chill auto」事業に取り組むことにした。
「この事業はお客のためであるのはもちろん、ここまでやると、社員のやりがいにもつながるのでは」と狙いを話す。
同市平田東1の旧店舗から現在地に移転して10年の節目。本業の自動車販売は、SUV(スポーツ用多目的車)を中心に堅調で、社員一丸となって新規事業を軌道に乗せる。

はやし・ゆうじ 1960年、松本市出身。松本県ケ丘高、青山学院大卒。大阪のマツダのディーラーで3年間勤務後、87年、松本マツダオート入社。89年専務、98年社長就任。