
心整理し前に進むきっかけに
ストレス社会の現代。生活に癒やしや潤いを与えてくれる、犬や猫といったペットを飼う人は多い。半面、人間より寿命が短いため、死別後にペットロスになる人もいる。
ペットをきちんと見送ったり、死後も身近に感じたりできるようにと、日本オルゴナイト協会の代表、塚田国恵さん(38、松本市)は「うちの子メモリアルオルゴナイト」を考案、6月からキットなどの販売を始める。
オルゴナイトは金属や水晶などを入れて樹脂で固めたクラフトで、お守りの一種でもある。そこにペットの遺骨、毛などを入れ、世界に一つだけのオブジェを作ることができる。塚田さんは「心を整理し、ペットロスになる人を少しでも減らせたらいい」と話す。
ペットへの思いを自分の手で形に
日本オルゴナイト協会代表の塚田国恵さんが20年ほど前に飼っていた犬、ゆきちゃん。スピッツとビションフリーゼのミックスで、毛は真っ白だった。塚田さんは当時、体調を崩し、「最期を思うようにかわいがってあげられなかった」という後悔をずっと抱えていた。
毛や骨はもうないが、散歩した草むら、白い毛をイメージし、ハート形のオルゴナイトを作った。「うちの子メモリアルオルゴナイト」の始まりだ。「思い出しながら作ることで、散歩のときの楽しそうな感じ、なでたときの手触りなどを不思議と思い出した。心の整理になった」と話す。形になると、「話しかけていた言葉が『ごめんね』から『ありがとう』に変わった」という。
うちの子メモリアルオルゴナイトは「近くにペット霊園がなく、遺骨を何年もそのままにしている」「きちんと送りたいが方法が分からない」といった声、さらに「オルゴナイトにペットの思い出を詰められないか」といった要望に応え、塚田さんが考案した。
ただ作るだけではなく、ペットとの思い出を大切にしたり、供養や気持ちの整理につなげたりできるよう、A4判の「思い出ワークシート」にペットの写真を張ったり、特徴や思い出、メッセージを書き込んだり。その後、「イメージシート」に何色にしたいのか、どういった意味合いを持つ天然石を入れたいのかなどを書き、塚田さんに送る。
イメージシートを基に塚田さんが形(ハート形、家形など)、樹脂、天然石、花、ラメなどの材料を選ぶ。テキスト、作り方の動画を加えたカリキュラムセットが届き、それを見ながら自分で作る。骨や毛、お気に入りのおもちゃの一部などを入れて固めれば、世界にただ一つのうちの子オルゴナイトオブジェに。名前を入れることもでき、「家族みんなで思い出を話しながら作るのもいいのでは」と塚田さん。
シニア犬を飼う人が、「お別れが近いかも。今のうちに形にしたい」と作ったこともあった。うみちゃんの名前にちなみ、海を連想するよう貝殻や青い花を入れ、愛犬の毛を加えて完成させた。
大好きな家族だった犬や猫がいなくなり、寂しかったり、切なかったり。大きな喪失感を抱えても、周囲に気持ちを分かってもらえない、なかなか立ち直れず何も手につかない、という人もいる。塚田さんは「ワークシートに自分の気持ちやペットのイメージを書き出すと、愛着がわく。思い出の品を作り、飾ることが、前に進むきっかけになると思う」。
生き物には寿命がある。その思い出や遺骨などを閉じ込め、身近に置く。ペットにとっても、残された飼い主にとっても供養や癒やしになりそうだ。
うちの子メモリアルオルゴナイトは6月から受け付ける。3万3千円から。塚田さんに制作を依頼することもできる。問い合わせなどは日本オルゴナイト協会のラインから。