【なないろキッズ】 #119 みんな違って当たり前

前回、「過剰適応」についてお話ししました。では、周囲の大人は何に気づき、どう支えていけばよいのでしょうか。
まず大切なのは、「みんな普通にやっているのだからやって当然」と考えないことです。学校生活で感じる負荷は、人によって大きく違います。
本人が弱音を言わないことも多いため、学校での姿を見るだけでは分かりません。保護者から家庭での様子を聞き、長期休みに元気になる、帰宅後に荒れる、特定の活動前だけ不調になるなど、別の場面での変化も含めて、「学校生活の何が負担なのか」を探る視点が必要です。また、もともとの特性から「この活動はかなりストレスなのでは」と想像することも大切です。
そして、本人が少しでも不安やストレスを言葉にしてくれた時には、聞き流さずしっかり受け止めてほしいと思います。「どうしたら少し楽になるかな」と一緒に考え、具体的な対策につなげることが大切です。
対策は、「その子だけ特別扱い」にならない工夫も重要です。例えばイヤーマフを教室に置き、「必要な人は誰でも使っていい」とする、宿題も一律ではなく誰でも「A・B・Cから選べる」にする。特別な合理的配慮を申請した子だけでなく、みんなに柔軟性がある環境の方が、安心して自分に合ったやり方を選びやすくなります。
学校の枠の中では難しいところもあるとは思いますが、ほとんど全員一律の活動という枠組みが、過剰適応を起こしやすくしているため、インクルーシブ教育を考える上では欠かせない点だと思います。
また、学校の活動も「全部参加が当然」とせず、パスする、一部だけ参加する、別の方法で取り組むなどの選択肢を先生から提案してもらい、本人がどれを選んでも、選べたことを喜んでほしいです。
さらに、大人自身が苦手や弱みを自然に見せることも大切です。「先生、忘れ物多くてごめんなさーい」「今日は苦手な豚肉あるので残します!」など、誰もが苦手を持ち、それを言葉にしていいのだと示してもらえると、「自分だけじゃない」と感じやすくなります。
過剰適応を防ぐのは、一人一人が違って当たり前という価値観と、自分に合ったやり方を誰もが選びやすい環境です。