〝現代的〟歌舞伎の魅力 劇団関係者が語る―6月まつもと市民芸術館で2作品上演

歌舞伎の演目を現代の感覚で表現した二つの演劇作品が7月、松本市深志3のまつもと市民芸術館で上演される。公演を前に、各作品の魅力や劇団の特色を知る講座が5月24日、同館で開かれ、約80人が耳を傾けた。
演目は同館の芸術監督団長の木ノ下裕一さんが主宰する「木ノ下歌舞伎」の「心中天の網島」(10~12日)と、劇団「花組芝居」の「レッド・コメディ 赤姫祀り」(17、18日)。
「心中―」は近松門左衛門の代表作を、ストーリーは変えずに現代の解釈で表現した作品。「レッド―」は、赤姫が登場する古典演目の名場面を多数織り込みながら、昭和初期の文壇で繰り広げられる人々の愛憎などを描いた作品だ。
講座には木ノ下さん、花組芝居座長の加納幸和さん、進行役として古典芸能に詳しいフリーアナウンサー中井美穂さんが登壇。
加納さんは、「歌舞伎は元々、はやりのものをどんどん取り入れた、庶民のための現代劇だったが、明治の文明開化を機に『古いもの』と否定され、古典芸能としての道を歩み始めた」と指摘。「あの時、歌舞伎を否定しなかったら今の演劇はどうなったのかと思い、演技や演出に歌舞伎の要素を入れた現代劇を作っている」と説明した。
また、木ノ下さんは「妻が金策のため着物をたんすから一枚ずつ取り出すシーンがあるが、この着物は現代に置き換えたら、アルバム写真と同じなんだろうなあと考えて表現している」と、創作過程の一端を明かした。
参加者は、歌舞伎の原点を大切にしながら全く違うタイプの作品を作る両者の話に聞き入り、多くの質問を寄せていた。
両公演のチケットは同館チケットセンター(TEL0263・33・2200)で販売中。