
今年で9回目となる「爆音映画祭in松本」が3日、松本市深志3のまつもと市民芸術館を会場に始まった。大音響視聴を通して、通常の鑑賞では聞こえてこない「かすかな音」を聴くという、大胆にして繊細な映画体験が特長。今年も「青山真治特集」から昨年のカンヌ国際映画祭4冠の話題作「シラート」まで、充実の内容になっている。
カンヌ4冠話題作など多彩な作品
爆音上映は、音楽ライブの音響システムを使って行う。画面の中に適度な音量で収まっている生活音や環境音など、かすかな音が目の前に迫り、客席にいながらまるで映画の中に自分の身が置かれているような感覚になるのが醍醐味だ。
映画評論家の樋口泰人さんが2004年に東京・吉祥寺バウスシアターで始めると話題になり、08年から「爆音映画祭」として全国で開かれている。
松本の〝爆音〟は、NPO法人松本シネマセレクト(宮嵜善文理事長・山形村)が主催して17年からスタート。宮嵜理事長と樋口さんによるこだわり満載のプログラム構成で注目を集める。
今回も、海外のミステリー、ロードムービー、純愛ファンタジー作品、静岡の山奥で行われる茶摘みや製茶工程を記録したドキュメンタリーなど多種多様なラインアップだ。
◇
今年は、2日夜の前夜祭上映と3日夜のオープニング上映で開幕したが、4日以降も注目作品がめじろ押し=表参照。
4日午後7時からは、豊田利晃監督の新作「次元を超える」。窪塚洋介さんと松田龍平さんのダブル主演で、上映後に豊田監督と窪塚さんのトークがある。
5日午後7時からは、特別プログラムとして、甫木元空監督と音楽家の井手健介さんが作った短編2作の上映と、2人によるライブがある。
6日午前10時からは、22年に亡くなった青山真治監督の作品を上映。長嶌寛幸さん(音楽家)が音楽を担当した「エリ・エリ・レマ・サバクタニ」は爆音上映の魅力を堪能できる一作。学生時代に青山監督から学んだ甫木元監督と樋口さんのトークもある。
クロージング作品は、日本のミニシアターブームの立役者で、昨年6月に80歳で亡くなった堀越謙三さんをしのび、堀越さんが製作に携わったレオス・カラックス監督の「ポーラX」を取り上げる。
宮嵜理事長は「樋口さんが1作ごとに音を調整して上映する。唯一無二の体験を楽しんでほしい」と話す。
前売り2千円、学生千円。当日2500円、学生2千円。5日の特別プログラムは前売り4千円、当日4500円。青山真治特集は前売り2500円、当日3千円。チケットはシネマセレクトホームページから。TEL0263・98・4928
