
松本大1年で、松本ACEボクシングジム(松本市渚2)所属の織田蒼獅さん(19、同市笹部)は、プロテストに合格。県内で唯一、プロを目指せる同ジムから初の10代プロが誕生した。
中学1年時に「ダイエット目的」で始めたボクシング。高校生になって本格的に取り組み、全国高校総体(インターハイ)に出場。プロ選手も意識した。
しかし、ジムでの練習中に顔面骨折の大けが。1カ月以上、ボクシングと離れ、「心が折れそうになった」。
それでも勇気を持って復帰。楽しさを再認識し、プロになる覚悟ができたという。
デビュー戦は8月26日、千葉県八千代市で。「ここで勝って、本当のプロになる」。強い決意を持って上がるリングに、無限の夢が広がっている。
減量目的から世界目指すプロへ
松本大1年の織田蒼獅さんは5月19日、「格闘技の聖地」東京の後楽園ホールで行われたプロテストを受けた。受験者は約20人。合否に最も影響があるという実技試験で織田さんは、自身の体重(約62㌔)とほぼ同じ受験者2人と、各1ラウンド(2分)のスパーリング(試合形式の練習)をした。
スパーリングでは、勝敗ではなく「ジャブやワン・ツーなど基本的なパンチが打てるか」といった攻撃面、基本的な防御、4回戦を戦うスタミナなどが評価される。合格率は60~70%という。
織田さんは「もう少し足を動かしたかったが、防御はしっかりできたので自信はあった」と手応えをつかんで終了した。
翌日、その言葉通り吉報が届いた。織田さんは「正直、うれしかった」と笑顔を見せた。同時に、「これからはプロとして見られる立場。礼儀や練習なども自覚を持ってやりたい」と気を引き締めた。
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鎌田中1年の時、「痩せたい」と松本ACEボクシングジムの門をたたいたのが、ボクシングとの出合い。
徐々にのめり込み、松本工業高校に進学し、「本格的に頑張ってみよう」と競技を始めた。2年時にインターハイ初出場。連続出場となった3年時には「全国大会1勝」を挙げた。
高校の通算戦績は6勝6敗。「プロ選手」を意識するようになった昨秋、同ジムの先輩プロとのスパーリングで左目の眼窩底骨折をした。
ボクシングで負った初めての大けが。1カ月以上、練習もできなくなった。「プロになる気持ちが薄れ、ボクシングを続ける自信もなくなった」という。
しかし、復帰しリングに上がって拳を交えると、「以前よりボクシングが楽しくなっていた」。
プロ選手になる気持ちもより強くなり、今年初めに、両親や同ジムの髙山祐喜会長(40)に意志を伝えた。
織田さんは「みんなプロになることを当たり前のように思っていて、応援もしてくれた」と振り返る。
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8月26日のデビュー戦(4回戦)では、三谷大和スポーツジム(千葉県八千代市)の選手と対戦する。
身長174㌢の織田さんはスーパーフェザー級(58・97㌔以下)かフェザー級(57・15㌔以下)で戦う予定で、3、4㌔の減量が必要だ。
長い手足を生かして相手との距離を取る、得意のアウトボクシングをするには足を動かし続けるスタミナが不可欠になる。
高校の先輩でもある髙山会長は「足が止まると、距離を詰められ自分のボクシングができなくなる。スタミナも必要だが、最後は折れない気持ち」と後輩を鼓舞。「若さはいろんな段階を体験できるメリットがある。まずは全日本の新人王を目指してほしい」と期待する。
織田さんは「プロなので強さは必要だが、いろんな面で尊敬されるプロになりたい。そして目指すは世界」。ダイエット目的で始めたボクシングで、大きな夢を追っていく。