
生坂村で20年ほど前からタケノコの食品加工に取り組んでいる団体「生坂ハチクの会」。会長の平林敏生さん(82)は今年から、長年手が入っていなかった村の竹林整備に乗り出した。成長が早く「厄介な存在」とも見られる竹を、村の工芸品や観光資源として活用したいと考えている。
活動協力する心強い若手も
ハチクの会は女性5人、男性3人。村産タケノコを買い取り、炊き込みご飯のもとやきんぴらなどに加工・販売し、好評を得ている。2019年に「道の駅いくさかの郷」ができ、旬の時季は生のタケノコがよく売れるようになったため、「自家用の確保を」と、数年前から自前で育てることを考えていた。
そんな折、村の宅地造成に伴い村民会館そばの手付かずになっていた竹林の整備が必要になった。
土地の所有者の許可が出て、約2千平方㍍に及ぶ竹林の、本格的な整備を開始。ハチクの会の呼びかけで村内のさまざまな有志団体も協力した。
うっそうと茂った竹は、全てを伐採するのではなく育てる竹を選びながら、遊歩道を造り、タケノコ狩りもできるようにするなど、「人が集まる竹林」を目指す。
伐採した竹は竹細工に利用する。しかし、課題があった。この竹林に生えているのは、油分が多い青竹。割れやすく、時間がたつと変色してしまう。
平林さんは、こちらも会長を務める村のホタルの保全に取り組む「上生坂ほたるの里の会」で行ってきた竹灯籠作りを通じて、その特性を知っており、「竹用乾燥機」の必要性を感じていた。
今回の整備で乾燥機の導入を決意。若い頃、機械メーカーに勤めていた平林さんは早速、竹林で有名な京都・嵐山を訪れ竹細工職人から乾燥の仕組みを学んだ。しかし、そこにあった業務用の機械はサイズが大きすぎて実用は難しかったため、自身で試行錯誤し卓上コンロなどを活用したオリジナル乾燥機を完成させた。
「油分や水分が抜けることで、つやが出て割れにくく、扱いやすくなった。質のいい竹で子ども向けの竹とんぼ大会をしたり、ゆくゆくは楽器を作ったりもしたい」と平林さんは夢を膨らませる。
そんな平林さんには、心強い相棒がいる。林業に従事する志水学さん(42、安曇野市)だ。力仕事で活躍するほか、タケノコの収穫体験などの企画や告知も担う予定で、平林さんは「引き継いでくれる若い人がいてよかった」と安堵する。
村の中心部に近い竹林。新たな観光資源になる可能性もあり、平林さんは「整備には、まだまだ時間がかかるから(竹林を)長い目で育てていきたいね」と笑顔を見せる。