
プレーオフラウンド第2戦・6月6日 山雅 0-2 奈良
J3松本山雅FCは、40チームが参加した特別大会、明治安田J2・J3百年構想リーグを26位で終えた。前半戦は3月に4戦全勝を果たし優勝争いにも絡んだが、後半戦は4連敗するなど勢いが陰った。起伏の中で、強烈なプレスをベースにした戦い方に磨きをかけ続けた。
今大会の最終戦、6日の奈良クラブ(J3)戦は0―2で完敗。大声援を受けるホーム戦で6連敗(3PK戦負けを含む)とふがいなかった。
「自分たちの良さの粘り強さが、今日はなかった」と石﨑信弘監督。「モンテディオ山形戦は延長まで行き、あれだけ体を張って戦えたのに」と、1週前にJ2相手に見せた戦いぶりとの落差を嘆いた。
前の試合と同じメンバーで臨んだ前半、相手陣でボールを追い込む姿勢は見せた。ただ、ボールを奪えても相手ゴールに迫れず、逆にカウンターからあっさり2失点。相手への寄せが甘く、正確なクロスやシュートを許した。
「ぬるかった」とFW加藤拓己。好調だった大会前半戦の立役者は「どこかに過信があり、定期的に表に出てしまうチーム。修正しないといけない」と自戒を込めた。
「相手に仕事をさせてしまった自分の責任」とうなだれたのは、目の前で2失点目のシュートを打たれたMF小田逸稀。山雅でただ一人の東B組ベストイレブンも、「自分自身に向き合い、チームのためにレベルアップしないと」と誓った。
前半戦で山雅が強さを見せたのは、多くがボールをつなぐ相手だった。積極的なプレスで自分たちの戦い方にはめ込んだ。
だがこの日の奈良は、ボールをつなぎながらプレスをかいくぐってみせた。「相手がうまいと難しい展開になる」とMF村越凱光。それでも「プレスをはがされたとしても、めげずに前から人にアタックに行くイメージを、もっとチーム内で共有しておかないと」。戦い方に迷いはない。
チームづくりを始めて半年。石﨑監督は「やろうとしていることはある程度出せたが、問題は完成度。まだまだ改善しなければいけない部分が多々ある」と振り返った。
20試合の真剣勝負の末に、選手もスタッフも同じ課題を感じ、同じ方向を向いている。特別大会の〝収穫〟を糧に、J2昇格を懸けて2カ月後の新シーズン開幕に向かう。
まとめる力発揮・主将MF深澤 ピッチ内外で存在感
新加入ながら主将を任されたMF深澤佑太が、大会を通じてピッチの内外で存在感を示し続けた。
プロ4年目の25歳。中盤の底を1人で担う「アンカー」を務めたのは初めてだったという。「すごくたくさん学んだ」。成果はピッチ上で存分に表現した。
縦横無尽に動いて味方を助け、相手の動きを制した。Jリーグ公式のスタッツ(データ)を見ると、インターセプト数はリーグ最多、こぼれ球奪取数が3位など守備の部門で上位に名前を連ねる(プレーオフラウンド第1戦終了時点)。激しい守備を掲げる石﨑サッカーに欠かせない存在だ。
ピッチ外でもチームをまとめる力を発揮。「今までのキャリアで積み上げてきたことを『キャプテン』という立場で出している」という。試合前、感情を込めた言葉で仲間を鼓舞する姿は、クラブ公式ユーチューブチャンネルで発信され、サポーターの共感を呼んだ。
「チームの成長はまだこれから。積み上げた部分をブラッシュアップしていきたい」。次シーズンへの意気込みを口にした。