
小倉百人一首の札を取り合う競技かるた。瞬発力や精神力、集中力、記憶力などが必要とされ、その激しさから「畳の上の格闘技」とも呼ばれる頭脳スポーツだ。松本市の松本深志高校競技かるた部は、かるたの聖地とされる近江神宮(大津市)で開かれる全国高校選手権大会の団体戦(7月19日)に出場する。2年ぶり2回目の大舞台だ。
先輩超え「一戦一戦楽しみたい」
競技は対戦者が向き合って座り、下の句が書かれた取り札から無作為に抜き出した25枚ずつを自分の前(自陣)に並べ、15分間暗記。読み上げられた上の句を聞き、対となる下の句の札を取る。相手陣の札を取ったら自陣から1枚送り、自陣の札が先になくなった方が勝ち。
予選の県大会(5月29~31日、下諏訪町体育館)団体戦。深志は、スピードが武器の大西心花部長をはじめ、安定感がある有賀咲乃さん、耳が良い丸山七海さん、冷静な千国彩夏さん、唯一の男子でダイナミックな伊藤志祐さん、払い手が豪快な澁谷優子さん、自陣左の札は逃さない伊藤さや乃さん、自陣にある、読み札の最初の1字が読まれただけで特定できる「一字決まり」の札を取るのが得意な井口結花さんの、3年生全8人で臨んだ。
団体戦は選手5人ずつが横並びで対戦し、3勝以上のチームが勝ち。深志は3校で争う予選リーグを全勝で突破し、準決勝で松本県ケ丘に勝利。決勝は飯田に敗れたが、2枠ある全国大会出場の切符を手にした。
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同部は6年前に棋道部かるた班として発足し、愛好会、同好会を経て2023年度から部活動に。部になってまだ4年目だ。現3年生のほとんどが、高校で競技かるたを始めた。「漫画が流行し『こういう世界がある』のを知った」と話す大西部長もその一人。中学では吹奏楽部員だったが、やりきった感があり、「高校では違うことをやってみたい」と入部した。
部員はほかに2年生4人、1年生6人の計18人で、練習は週4日。入部後の2~3週間で100首を頭にたたき込んだ上で、上の句の一部分から取り札が判断できる「決まり字」を100首全て声に出して覚えたり、札を払い取る動きを繰り返したり。顧問の小山雅代教諭は「部員の仲が良く結束力がある。豊かな個性が、かえってバランスの良さにつながっている」と分析する。
現3年生を鍛えてくれた二つ上の先輩たちは、初めての全国大会で1回戦敗退だった。大西部長は「目標は優勝」とした上で、「勝ちたい気持ちもあるが、一戦一戦を楽しみたい」と力を込める。