憲法を知ろう!壁新聞作り配布 ひとり人形劇「がらくた座」主宰・松本の木島知草さん

松本市でひとり人形劇「がらくた座」を主宰する、「ちいばあ」こと木島知草さん(73、井川城)は、「憲法壁新聞」を作り、5月3日の憲法記念日から配り始めた。日本国憲法の内容を、より多くの人に知ってほしいという思いからだ。6月中旬までに約千人に渡したという。
壁新聞はA3判の上質紙。オリジナルは手書きで、コピーを配っており、「読んだ人がコピーして広めてほしい」と呼びかけている。
表と裏の2面構成。両面とも子どもたちが自由に伸び伸びと描いた絵がフレームになって本文を囲む。表面は、憲法の前文や木島さんが好きな条文など。裏面は、憲法の精神に基づき作られた児童憲章と、子どもたちの名前などが書かれている。

手渡しでつなぎ伝える条文

「憲法壁新聞」を作った木島知草さん。「非暴力の中身、一人一人の自由で幸せな人生を守ってくれる根っこのような頼もしい日本国憲法を、多くの人に知ってほしい」と語る。
裏表2面のうち、表面には憲法「前文」を全て掲載。子どもたちが読めるように、漢字に振り仮名を付けて手書きした。
さらに、第9条と同2項のみで構成される第2章「戦争の放棄」、第3章「国民の権利及び義務」からは基本的人権などさまざまな権利について記した第11、12、13条。第10章「最高法規」からは、基本的人権の本質についての第97条を載せた。いずれも木島さんが「知ってほしい」と強く願う部分だ。
裏面の子どもの名前や児童憲章の周囲には、子どもたちの絵に交じって「けんぽうをたいせつ!と思う人に手渡してね コピー印刷OK…広げてね」とメッセージを添えた。

捨てられる物を人形として生まれ変わらせて演じるがらくた座の人形劇を、「天職」だという木島さん。これまで県内を拠点に、沖縄から北海道まで全国を巡業し、50年余になる。
自宅で開く「10円劇場」を軸足に、保育園や小中学校、公民館で公演を続けるほか、性・人権・命の尊さ・平和へのつながりを学ぶワークショップや、憲法について語り合うカフェも開いてきた。「私の財産は、多くの子どもたちやお母さんたちと出会うたくさんの『場』があること」と語る。
70歳の節目を迎えた3年前には、いのちと平和へのメッセージを書き込んだカレンダー「ちいばあのつぶやき―曜日のない月めくり絵暦」を作成。その5月のページには、「9条」の文字に囲まれた母子のイラストに「『人類の理想』、今こそ抱きしめ学び合い育てたい『憲法』は道標」と書き添えた。
今、世界は争いと分断が広がり、日本国内では改憲を求める声が「一層大きくなってきたと感じる」という。不安な世界情勢を背景に改憲を主張する政治家たちに、憲法論争では太刀打ちできない、「無知で無防備な庶民の私たち」。ではどうすれば? 子どもも大人も理解できる「壁新聞」を配ろうと木島さんが決心したのは、こうした理由からだ。「壁新聞で読み合って、人から人へ手渡してほしい」
憲法第12条の「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」という条文にも、「(活動を)促された」と語る。
ベトナム戦争時の米海兵隊員で、平和運動家に転じたアレン・ネルソンさん(1947~2009年)が、ドキュメンタリー映画「アレン・ネルソン 9条を抱きしめて」の中で語った言葉が、木島さんのお気に入りという。「『宇宙人がくれたとしても、良いものは良い』。日本国憲法が長生きできるように、みんなで努力しましょう」
問い合わせはがらくた座TEL0263・26・3601(ファクス兼用)