誰もが安心して鑑賞できる劇場を―まつもと市民芸術館が視覚障がい者対応など学ぶ

松本市深志3のまつもと市民芸術館は6月17日、年齢や障がいの有無などにかかわらず誰もがアクセスしやすく利用しやすい「アクセシビリティー」向上のための研修を行った。目が不自由な人への対応を主に学び、同館職員と運営ボランティア約40人が、具体的な対応を体験したり当事者の話を聞いたりして理解を深めた。
研修は昨年10月に続き2度目。講師は、舞台芸術におけるアクセシビリティー設計に長年取り組む同館アクセシビリティーアドバイザーの南部充央さんが務めた。
参加者はペアを組み、アイマスクを着けた視覚障がい者役と案内役を交代しながら、館内を歩いたり座席まで案内したり。視覚障がい者の不安を取り除くための情報の伝え方や、誘導のこつなどを学んだほか、松本視覚障害者福祉協会の前野弘美会長から要望を聞いたり、前野さんに質問したりした。
同館は昨年度から本格的に、視覚や聴覚に不自由がある人の鑑賞サポートを導入。昨年11月の同館企画制作舞台「チェーホフを待ちながら」では、舞台上の様子や役者の動きなどを解説する音声ガイド、せりふや物音などを視覚的に示すポータブル字幕機を貸し出した。
7月上演の木ノ下歌舞伎「心中天の網島」では、舞台上に字幕を表示したり手話通訳を置いたりする。同館のアクセシビリティー担当、陸川亜子さんは「試行錯誤を重ねながら、誰もが安心して来館し、鑑賞できる劇場をつくっていきたい」という。