
eスポーツを介護予防に役立てたい―。そう思って介護職から転じた室山桃子さん(25)は、eスポーツイベントを運営する「Re.road(リロード)」(塩尻市)の社員になって2年目。「(イベントに)来た人が笑顔になる機会を広げたい」と知恵を絞っている。
子どもの居場所づくりも
室山さんは相模原市出身。大学在学中に地元の特別養護老人ホームで働き始めた。入所者や家族に感謝される仕事にやりがいを感じる一方、認知症の進行に不安を抱くお年寄りらの姿に「何とかしたい」という思いが募っていた。
そんな時、コンピューターゲームの腕前を競うeスポーツを、認知症予防に活用する取り組みを知った。自身も高校時代からeスポーツを楽しんでおり、「自分にしかできない」と直感した。
入学した東京の専門学校では、バーチャルユーチューバー(Vチューバー)や動画制作の志望者が多い中で異色の存在だったが、講師を務めるリロードの金井佑輔社長(38)が思いを聞いてくれた。在学2年目の2023年、「長野で高齢者のイベントを毎週やることになった」と誘われ、「こんな奇跡があるんだと思った」。塩尻通いが始まり、25年春に同社の社員になった。
eスポーツが介護予防に効果があると証明はされていないが、認知機能検査の数値が改善する傾向はあるという。室山さんは、イベントで初対面の参加者同士に会話が生まれることにも、意義を感じている。
色彩検定2級の知識を生かし、学校に行きづらさを感じている子どもたちの居場所づくりとして、イラストの講座も開いている。保護者から「(子どもが)ここには来たいと言っている」と聞くと、うれしくなる。
「良いイベントになるかはアイデア次第。人を知ろうとすることが必要」と室山さん。以前は他人となるべく話さないように過ごしていたといい、自身も自己変革の真っ最中だ。