特性持つ子の居場所に プロがイラストの描き方を指導 「子どもデザインアカデミー」松本校

プロのイラストレーターや漫画家などが講師となり、イラストの描き方を教える「子どもデザインアカデミー松本校」(松本市中央1)。対象はすべての子どもたちで、「褒められ認められる場所、自分らしくいられる大切な居場所」になりたいといいます。
発達障害やグレーゾーン傾向のある子ども向けの「発達凸凹クラス」、「一般クラス」、タブレットでデジタル作画を学ぶ「アイビスペイントクラス」の3クラスあります。1クラス最大4人まで、対面とオンラインから選べます。
発達凸凹クラスは、配慮してほしいことなどを事前に保護者と共有してから始めます。顔を見せたくない、自分の作品を見せたくないなどの希望があれば尊重し、信頼関係を築いていきます。
絵を描くのは、タブレットでも紙と鉛筆でもOK。講師はイラストソフトの画面を共有して進めます。レッスンごとにテーマを決め、例えば今回は目、次は髪といったように、1年間かけて人物を描けるようになることを目指します(継続も可)。
講師は、全員が子どもの発達に関する基礎研修を受けています。低学年や凸凹クラスの子はたくさん褒める、高学年には技術向上のためのポイントを伝えるなど、一人一人に寄り添った指導を心がけています。一般クラスの浅川志保さん(11、同市)は「絵を習いながら優しい先生といろいろ話せて楽しい」。母親は「子どもの表現を細かいところまで丁寧に見て、認めてくれます」と話します。
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子どもデザインアカデミーの教室は現在、全国に90カ所、小中学生を中心に約1千人が学んでいます。運営するのは、一般社団法人「発達凸凹アソシエーション」(横浜市)と「Place to be株式会社」(同)。二つの組織の代表を務めるのが、2025年に松本校を開校した伊藤真穂さん(51、池田町)です。
始めたきっかけは、自閉症の次男(15)を育てる自身の経験です。「特性を持つ子どもの親を支えたい」と、保護者向けのセミナーや交流会を2014年から開催。3年後に全国の家庭や教育現場で活躍できるインストラクターを育てる「発達凸凹アカデミー」を、22年に子どもデザインアカデミーを立ち上げました。
横浜市で暮らしていましたが、23年3月、当時高校3年生だった長男(21)が京都の大学へ、次男が中学校に進学するタイミングで、次男が過ごしやすい環境を求めて安曇野市へ移住します。理由は「旅行で訪れて以来、大好きな場所だったから」。
同年11月、子どもデザインアカデミーをフランチャイズ化。現在は次男の学校に近い池田町で、夫と3人で暮らしています。
伊藤さんは、ある保護者の言葉が印象的だったと言います。それは「子どもが不登校の時期に、アカデミーの先生や他の受講生の存在が社会との唯一の接点だった。ここがあって良かった」。その子は中学卒業後、自分で選んだ通信制高校へ進学したといいます。
伊藤さんは「憧れの先生がいたり、自由に『好き』や『得意』を表現して認めてもらえたり。そんな家庭でも学校でもない『居場所』の存在が、将来の彼らを支えてくれると思います」。
一般クラス、アイビスペイントクラスは月4回(1回約50分、1万560円)。見学、無料体験(2回)あり。詳細はこちらから。