安曇野の伊藤彩美さん 託児付きで運営 楽しい!「ミシンカフェ」

カタカタカタカタ…。心地よいミシンの音が響き渡る。ここは安曇野市穂高の久保田公民館。子育て中の母親たちが集まる「ミシンカフェ」だ。
軽快にミシンを動かし、子どもの洋服作りをするのは伊藤彩美さん(37、穂高柏原)。今春から月に1、2回、同公民館を会場に託児付きミシンカフェを運営する。
夫が単身赴任中で、1歳5カ月の長女を育てる伊藤さん。平日はワンオペ育児だ。ミシンが好きで使いたいけれど、子どもを寝かしつけた後、夜中に一人で作業するのは孤独。楽しくおしゃべりしながらミシンを動かす場があればと、ママ友や地元ボランティアらの支援を受けカフェを始めた。
7月28、29日は小学生親子を対象にした夏休み企画「ミシン体験ワークショップ」を開く。

育児中ほっとできる居場所に

「大人も子どもも嬉しい!楽しい!ミシンカフェ」が合言葉。おしゃべりしながら楽しくミシンを使う。「自分で作る喜びを共有する」「子育てが孤独にならないように、ママや子どもが笑顔でいられるように、地域とのつながりを」という方針で運営する。
保育園の通園グッズや子ども服、トートバッグなど、参加者が作りたいものを自由に作る。「自分の好きな布で好きなデザイン、好きな物を作れるのがミシンの魅力」と伊藤彩美さんは語る。
長野市出身で、3年前に結婚して夫の地元安曇野市へ。元々手芸や編み物が好きだったが、ミシンを買ったのは子どもが生まれてから。ベビー服をリメークしたり、児童館のクリスマス会に着ていく娘のチュニックを作ったりした。1歳の誕生日にはかわいいワンピースを完成させた。妹やめいのための洋服まで作るようになり、喜ばれるとどんどんミシンにはまった。
楽しさがある一方で、夜中にミシンを使って黙々と作業していると、孤独を感じ始めた。洋裁教室に通う手もあるが、お金がかかるし、心理的ハードルが高い。「子連れでも気軽に楽しくミシンができる交流の場があればいい」と思うようになった。
行きつけの布店で相談すると「だったら、あなた自身でサークルでも作ったらいいじゃない?」と言われ、「確かに」と合点。猪突猛進でミシンカフェの立ち上げに奔走した。
欠かせないのが託児だ。助産師で訪問型の産前・産後の育児と家事の手伝いをしている「てのこころ」代表の堀越より子さん(55、同市穂高柏原)に相談すると、快く引き受けてくれた。ボランティアの保育士にも託児を手伝ってもらえることになった。「安心してミシンに専念してほしい。一瞬でも忙しい育児から離れ、自分の時間を楽しんでもらえたら」と堀越さん。育児相談や健康相談にも乗る。
ミシンカフェでは、地元でカイロプラティックを営む吉山浩司さん(59、同)とコラボし、施術体験や骨盤矯正、子どもの姿勢チェックなども無料で受けられる。ミシンが得意な久保田ボランティア会副会長の中山みあきさん(70、同)もサポートする。「伊藤さんは行動力のある頑張り屋さん。こっちが元気をもらっています」
6月30日のミシンカフェには大人10人、子ども3人が参加した。1歳3カ月の長女を連れた女性(35、同市穂高)は「お弁当袋を作った。ミシンをしながら幅広い世代の人たちと話ができて楽しい」と笑顔だ。
伊藤さんは「ミシンが苦手でも作りたい気持ちがあれば大歓迎。子育て中のお母さんがほっとできる居場所になれば」と話す。
小学生親子を対象にした28、29日のミシン体験ワークショップは両日とも午後1~4時。安曇野市豊科のささえあいセンターにじで。巾着袋を作る。定員各3組。500円(材料費、菓子代)。
久保田公民館で開く次回のミシンカフェは7月14日午後1時半~4時半。カンパ制でおやつ代100円。託児は1人1500円。詳細はインスタグラム