
MTB(マウンテンバイク)競技の国内最高峰の大会「第39回全日本自転車競技選手権大会マウンテンバイク」が18~20日、安曇野市堀金烏川の市マウンテンバイクコースで初開催される。国内のトップ選手ら約200人が出場し、熱い戦いを繰り広げる。
19日はXCC(クロスカントリー・ショートトラック)で、午後1時半から女子エリート(U23含む)、2時10分から、男子エリート(同)を実施。
20日はXCO(クロスカントリー・オリンピック)で、午前8時半から、男子マスターズ、同ユース。10時から同ジュニア、同U23、午前11時45分から女子5カテゴリー、午後1時半から男子エリートが行われる。
大会実行委員長を務めるアトランタ五輪MTB日本代表の小林可奈子さん(56)に話を聞いた。
誇り懸けた世界基準のコース
安曇野市マウンテンバイクコースの指定管理者・一般社団法人「MSJ」(マウンテン・スポーツ・ジャパン)の代表理事で、今大会の誘致に尽力した小林可奈子さん(同市穂高)との一問一答は次の通り。
―日本最高峰の全日本選手権を開くことになった。感想は。
あらゆる競技を通じて「全日本選手権」を安曇野市で開くのは初めてという。主催の日本自転車競技連盟と、市、私たち民間が協力して一からつくり上げる大会。その過程でいろんなことが見えてきた。1回やれば、2回、3回目ができる。これを機に市全体が大きく変化してほしい。
―大会にどういう思いを込めたか。
「挑戦」という思いだ。告知のチラシも子どもたちがそれを見て「行ってみたい」と思えるようにした。「競技会」というより、「親子で森に遊びに行ったら、日本一が走っていた」。そんな大会にしたかった。主役はもちろん選手だが、大会を支えるスタッフや観客も主役になることを目指している。
―選手への期待は。
世界基準でコースを造った。だから選手も世界基準の走りをして海外でプライドを持って走ってもらいたい。2016年、私がワールドカップに初参戦したとき、コースがあまりに激し過ぎて完走できなかった。その時から世界とのギャップを埋めなければと思っていた。今はスマホなどで世界の映像を見られるが、リアルじゃない。「このコースでこれだけのタイムが出せた。だから世界で通用する」というコースにしたので、ぜひこの挑戦状を受け取ってほしい。
―「選手、小林可奈子」として全日本選手権とは。
プライドだ。自分がやりたいことを継続してやりきることは、怖いし、不安がある。それらを払しょくする唯一の答えを出してくれるのがこの大会だ。
―どんな大会にしたい。
MTB強豪国を含め、世界中でその国の「選手権」がある。その中の一つだ。どの国にも引けを取らないようにしないと。自分の国の選手権に出た選手たちが世界選手権でぶつかる。その(対等な)場所に「憧れ」という言葉があってはいけない。
―20年からコース整備を始めた。大変だったことは。
コースの指定管理者になるために「MSJ」を立ち上げた。ミッションは「百年先までこの森を守る」。そのために人材を育成し、お金を稼ぐ手段などを構築しなければならない。今後も続く一番大変なことだ。
―小林さんの夫で、消防士の傍ら、コース整備やボランティアのまとめ役などとして携わった昌樹さんが、5月23日に亡くなった(享年59歳)。
元MTB選手でもあり、最期まで命を削ってコースを整備してくれた。コースには彼なりの「謎解き」(攻略法)がある。それは選手に対する愛情でもある。しっかり受け止めてほしい。
―安曇野市民に一言。
市民でもこの森を知らない人が多くいる。大会を見て「格好いい選手が走っているじゃん」と思ってもらえれば、将来の自転車遊びにつながる。こんなに素晴らしく、気持ちのいい山があることを、市民一人一人のプライドにしてほしい。