県外で一般就労の道開く大きな実績 安曇野のNPO法人が支援事業所開設

障がい者の可能性広げる場に

整然と、ずらっと並ぶパソコン。4月に開所した就労継続支援B型事業所「CLOVERワークス松本」(松本市大手2)の室内だ。明るくおしゃれで、最先端のオフィスのようだ。
CLOVERワークス(前橋市)はこれまで、群馬県を中心に3事業所を展開、2024年から2年間で地方銀行、ECサイト運営会社、大手自動車ディーラーなどへ21人を一般就労に導いた実績がある。長野県でも実現したいとNPO法人安曇野コモンズ(野口潔代表)を設立、松本市に開設した。
利用者の仕事はリユース、SNS運用代行、データ入力、ドーナツ販売(計画中)の四つで、自己実現や社会貢献のためのスキルアップを目指す。22、23日には見学会を予定している。

一般就労目指すスタート地点に

松本市に4月開設した、就労継続支援B型事業所CLOVERワークス松本。障がい者にとって、ここで作業することがゴールではない。パソコンのスキルなどを習得し、次の一般就労につなげるスタート地点だ。工賃は時給400円からと高めに設定。県の最低賃金1061円までステップアップするシステムだ。
運営するのはNPO法人安曇野コモンズ。マネージャーの中村健太さん(44)が中心になり、利用者を支援する。
中村さんは安曇野市でそば店を経営していたが、発作性のめまいを繰り返す難病、遅発性内リンパ水腫を発症。症状が重く、吐き気がひどくなり全く動けない状態になり、仕方なく店を閉めた。体調が少し良くなり、「福祉に関わりたい」と市内にある就労継続支援事業所で仕事を始めたが3カ月して倒れ、利用者として登録。在宅でパソコンを使い、デザインの仕事を始めた。
具合が良くなり、障がい者が働ける場所をと2年前、同市にドーナツ店をオープンした。その後、CLOVERワークスの野口潔代表と知り合い、群馬県高崎市まで見学に出かけた。「施設がきれいで、スタッフも30代と若くスーツを着用している。何より2年で21人という一般就労実績に衝撃を受けた」と中村さん。

次を見据えた環境づくりも

就労支援事業所に入っても、次のステップをどうするかが課題の一つだ。自身も支援される側だったから実感できるという。CLOVERワークスは、この課題をクリアしている。
「きれいな環境で働け、就労にもつながる。工賃が高く設定され、ステップアップで最低賃金を目指せる。松本市でもやってみたい」。野口代表に働きかけ、開設に向けて動き出した。
同事業所が手がけるリユース事業は、大手通販サイトに届いた返品を仕入れて検品。パッキングし直し、写真を撮るなどしてインターネットオークション、フリマサービスなどで販売する。SNS運用代行は、飲食店などと契約。インスタグラムなどを活用し、売り上げを1・5~2倍にアップさせる。体系化している会社のノウハウを借りることを考えているという。
データ入力は専用ソフトを用い、打ち込まれた内容のミスを発見し直すといった作業を用意する。将来は同所でドーナツの販売も手がける予定だ。
対象とする利用者は、一度社会に出たが、精神障害などで仕事を辞めなければならなかった人が中心。中村さんは「まず就職が当たり前という空気をつくることが大事。障がい者の可能性を広げる場に」と力を込める。
見学会は22、23日午前11時~午後3時。予約、問い合わせTEL0263・50・7377