
皆さん、「マコモダケ」をご存じですか? 名前だけ聞くとキノコの一種に思われますが、実は稲と同じように水田で育つイネ科の植物「マコモ」の若い茎が肥大化したものです。
皮をむいて白い部分を食します。旬は秋で、私も一度だけ食べたことがあります。食物繊維とカリウムが豊富で健康によく、中華料理の高級食材でもあります。松本市内の旅館などでは秋の味覚としてこのマコモダケを使った料理を名物にしているところがあるそうです。
その生産者が身近にいました。赤坂恭平さん(39、塩尻市広丘原新田)です。この若者、5年前に農業の世界に飛び込みました。そして生産するのは「マコモダケ一本」というすがすがしさです。
しかし不器用なようで、売り込み方などが分からず、「指導してやってください」という依頼が有機農家のつながりで私のところに来ました。
早速、彼の畑の見学に行きました。塩尻市洗馬小曽部の森の中です。指定された場所は、まるでスタジオジブリのアニメ映画「千と千尋の神隠し」に出てくる「この世とあの世を分ける」ようなトンネルを抜けないとたどり着けません。家に戻れるのかという不安に襲われました。
現地に着くと、そこはすがすがしい空気に包まれていました。「これもマコモ効果か!」。
マコモにはもう一つ、大きな力があります。水質浄化作用です。池田町の農家では、水田の水の取り入れ口に植えていました。ここ洗馬地区の水路にも、本当に奇麗な湧き水が流れていました。
こんな環境で育ったマコモダケと、それ一筋で栽培に力を注ぐ恭平を応援しないわけにはいきません。
圃場拡大と整備のために、クラウドファンディングにも挑戦するようです。頑張れ!
(農業、塩尻市在住。次回は8月11日掲載予定)