
一緒にいた場所に飾れるものを
犬、猫といったペットを失っても、いつもそばに感じていたい。安曇野市の工房、山花(三郷小倉)は、「一緒にいた場所に、そのまま置ける」をコンセプトに、木とプリザーブドフラワーで、リビングなどに置ける小さな骨壺「木和(mokuna)」を考案、インターネットのサイトで販売している。
同店オーナーの楠本史帆さん(48)は愛犬Ume(うめ)と死別。長崎県から信州へ移住する際、骨はブリキの缶に入れ連れてきたが、「何とかしたい」と考えていた。「かわいい骨壺」「リビングに置いてもなじむ物に」といった願いを形にした。
プリザーブドフラワーを飾ったフォトフレーム、山のピンバッジを飾るボードも考案。今後は骨壺の種類を増やしていく予定だ。
木に名など入れ季節の保存花も
「いつも一緒にいた場所に、そのまま置いておけること」をコンセプトに作った、ペットのための小さな骨壺・木和(mokuna)。
土台部分は信州産の栗やクルミの木で、成形を塩尻市の木工業者に委託。その上にガラスケースを置き、中にバラやアジサイなどのプリザーブドフラワーを入れる。色味はグリーンやオレンジなど8種。直径11㌢、高さ22㌢ほど。木の部分にペットの名前、生年月日、命日が入る。土台の中には骨を入れるガラスケース。レーザー彫刻で「Thank you」といった文字を入れることもできる。
手がけるのは山花の楠本史帆さん。夫、武次郎さん(50)の鉄工所「GRIT&GRAIN(グリットアンドグレイン)」の一部を工房にして製作。ウェブ上のハンドメードマーケットプレイス、「Creema(クリーマ)」で販売している。
木工技術生かし思い出彩る製品
愛知県出身。結婚を機に長崎県へ引っ越した。花が好きで、長年生花店に勤めた。北アルプスも好きで、「山に登りたい」と2023年、一家3人で松本市に移住。翌年、「景色がいい」と安曇野市に移った。22年に死別した愛犬Umeの骨も一緒だった。
「骨はずっとブリキの缶に入れていた。かわいそうで、何か作ってあげたいと考えていた」という。「いつでも見られる場所に、Umeの存在として飾れるもの」を模索。リビングに飾っても邪魔にならない大きさなど、条件を考え、木和が具体化していった。
分骨用で、プリザーブドフラワーを長く飾れるようにとガラスケースに入れた。季節に合わせ飾る花を替えられる工夫もした。「骨を入れたとき、Umeの居場所ができたと感じた」
山花として木工の技術を生かし、他の製品も考案した。フォトフレームは、楠本さんがレーザーカッターで木を切り、プリザーブドフラワーをあしらう。ペットや家族の写真を飾ることができる。
山好きが高じて木製の山バッジボードも作り、「yamahana carve(ヤマハナカーブ)」の屋号でCreemaで売る。山小屋ごとに販売されている記念のピンバッジ、山バッジは、登頂の証し、土産、コレクションとして人気がある。熊、ライチョウ、山の花などの彫刻が施され、思い出を引き立てる。
今後は骨壺の種類を増やす予定。骨が全て入れられるものなどを作ってみるという。「骨壺に見えない骨壺がこだわりです」
木和2万2500円。フォトフレーム3800円、山バッジボード2千円。いずれも送料別。問い合わせはインスタグラムのダイレクトメッセージで。