小谷で大人の講座 「そろばんチャレンジ!!」 集中して頭と指使いすっきり

昭和の時代に子どもの習い事の定番だったそろばん。デジタル全盛の今も、計算能力や集中力の向上などから、人気が再燃しているという。一方、〝そろばん世代〟の大人たちは、日常や仕事でもすっかり使わなくなったが、脳トレやアナログ回帰を目的に改めて挑戦する人もいる。
「そろばんは、5と何かで考えます。6円は、5と1(の玉を)をつまむ。思い出しましたか?」
7月17日に、小谷村の複合拠点施設おたりつぐらで開かれた「そろばんチャレンジ!!」講座。村内外から参加した40代以上の9人が、講師で安曇野市と池田町で「マリ☆そろばん教室」を開く赤羽真理さん(46)から説明を聞き、昔の感覚を取り戻して指を動かす。
この日の参加者は、経験に差はあるが小学校や塾などで習ったことのある人が多数。それでも、そろばんに触るのは「小学生以来」「数十年ぶり」という人が多く、1時間半の講座は基本の復習からスタートした。
見取り算から始め、徐々に、数字の桁数が増えた問題に取り組む参加者の姿に赤羽さんは、「今、頭を使っています」。続いて、「願いましては」の掛け声を合図に読み上げ算と、暗算問題に挑戦した。
集中して無言で玉をはじく参加者の表情は真剣そのものだったが、休憩時間はリラックスして楽しそうだ。
「指が動かない」と苦笑する人、「繰り上がり問題ができると達成感がある」と目を輝かせる人などさまざま。「計算をやるうちに、頭の動きが速くなったようだ」と、一様にすっきりした顔つきで会場を後にした。

講座は、村地域づくり振興係が6月に初企画し好評だったため、今月から定期開催(毎月第3金曜)に。
参加者に再びそろばんを習う動機を尋ねると、同村の40代女性は「仕事で粗利などの計算がぱっとできる人がいて、デジタルに頼らず自分で計算できるようになれたら強いと思った」。白馬村の50代女性は「小学生のときに教室に通い、今も簡単な暗算をするが、買い物の際にずれが出て、計算力が怪しくなってきた」。脳トレや認知症予防にと申し込んだ人もいた。
小谷村の野﨑由紀子さん(62)は、「電卓は置いておくと計算途中で数字が消えてしまうことがある。読み上げ算の雰囲気はスポーツに似ている」とし、これを機にアナログ回帰。職人手作りのそろばんを購入し、級位取得にも意欲を見せた。
また自身が習った時代とやり方自体が違う点があることを知り、「勉学のために」という人も。65年ぶりという同村の鷲澤智春さん(77)は「掛け算、割り算のやり方は全部忘れたが、今主流のやり方を学ぶには忘れてよかったかも」と笑う。赤羽さんが、ボタンを押すだけでご破算(玉が0の状態に戻る)にできるそろばんを紹介すると、驚きの声が上がった。
赤羽さんが池田町で開く大人向け教室の生徒の中には、級位の合格証書を手に泣いて喜ぶ人もいるという。「脳の活性化のほか、続けることで計算力、集中力、忍耐力も付く」と話し、「アナログの価値にも触れてほしい」と期待する。

次回は8月21日午前10時~11時半に同施設で。定員10人(要予約)、1回500円。村外からの参加も可。同係TEL0261・82・2589