安曇野の魅力ぎゅっと詰め込んだかき氷 移住夫婦が農家民宿を間借りし週2日限定オープン

果物や野菜、牛乳、そして水―。安曇野の魅力をぎゅっと詰め込んだかき氷を提供する「水と果」(安曇野市堀金烏川)。6月末から「火鉢庵&農家民宿Sakura」を間借りし、週に金、土曜の2日間だけ営業する。
神谷亮賢さん(34)、朱莉さん(30)夫妻が運営する。愛知県で経営・デザインの会社を二人で設立。顧客の開業などに関わるうちに、「自分たちで何かやりたい」と思うように。大町市の芸術祭などを訪れた際、北アルプスや水のきれいさなどに心を打たれ、安曇野市への移住を決めた。
亮賢さんは愛知県に顧客がいるので2拠点生活だが、自分たちがほれ込んだ安曇野の魅力をどうにかして発信できないか―。思いついたのが「安曇野の水を味わうかき氷」だ。野菜や果物も地元産にして、安曇野らしさを伝える。

ほれ込んだ地〝良さ〟伝えたい

うんざりするほど暑い夏。週2日の営業日には、多くの人が訪れるかき氷専門店「水と果」。メニューは〝安曇野感〟でいっぱいだ。
例えば「とうもろこし」(970円)は、安曇野市堀金にある一志農園の、果実のように甘いトウモロコシを使う。「夏いちご」(同)は、同市三郷明盛のなないろ農園から。加熱せずフレッシュなままシロップにし、イチゴの香り、風味が楽しめる逸品だ。
他にも「とまと」「ブルーベリー」などがあり、最近「すいか」も仲間入り。「安曇野セット」(660円追加)は他のかき氷と一緒に味わう小さなかき氷で、同市穂高の小笠原わさび園のおろしたてワサビに茎ワサビを添え、甘酒と共に味わう。
かき氷に使う氷は、安曇野の伏流水を使った氷を製氷店から仕入れる。メニューやショップカードには「この氷も、15年前の雪どけ水かもしれません」といった言葉が添えられている。
切り盛りする神谷亮賢さん、朱莉さん夫妻は2025年春、安曇野市に移住した。17年に開かれた大町市の北アルプス国際芸術祭などを訪れた際、北アルプスの美しさ、澄んだ水など中信地方の自然に魅了された。「自然と共に暮らすことに感銘を受けた」と朱莉さん。
デザインを担当する朱莉さん、中小企業診断士でコンサルタント業務を担う亮賢さんで「ふくろう経営デザイン室」を設立したのは5年前。愛知県を拠点に、店舗の開業を手伝ったり、農家をブランディングしたりする会社だ。仕事を進める中で「自分たちも何かしたい」「何か始めたい」という思いが強まった。「安曇野という地域に眠っている魅力を発信したい」気持ちが、抑えがたくなった。
安曇野の良さとは?と改めて考え、「水」が浮かんだ。水で育った農作物があって、糖度が高く、新鮮だ。「水+果実=かき氷」の方程式が出来上がった。「一気にそのおいしさを体験できる。味わえる」
農家と親交を深める中で、丹精して農作物を育てていることを知った。その思いは文章化され、メニューにしっかり書き込まれている。おいしさだけでなく、作物が育った背景も知ることができる。
氷は角がなくまろやかに、ふわっとした食感になるように削る。農家、酪農家の心がこもった果物、野菜、牛乳のおいしさをそのまま味わってほしいと、シロップは全て手作りだ。
10月まで提供予定で、秋にはブドウやイチジク、メロンなどが仲間入りする。愛知県との2拠点生活はハードだが、「来年以降も続けたい」と神谷さん夫妻。安曇野、かき氷への思いは熱い。
金・土曜午前11時~午後5時。詳細はこちらから。