松本出身の競技麻雀プロ選手・世界王者の内川幸太郎さん地元の凱旋交流大会に

年齢や立場関係ない麻雀文化を

松本が生んだ現役バリバリの世界チャンピオンがいる。競技麻雀のプロリーグ「Mリーグ」で活躍する内川幸太郎さん(45)=松本市蟻ケ崎出身=だ。
昨年7月に東京で開かれた世界大会で個人優勝。2025~26年シーズンのMリーグでは、所属チーム「EX風林火山」がリーグ優勝を果たすなど、いま乗りに乗っている。
そんな内川さんが7月20日、地元・松本で開かれた凱旋交流大会に出場した。企画したのは、松本で麻雀を盛り上げようと、市民有志が4月に結成した「SHINSHU雀コミュニティ 結び」(北山彰代表)。
当日は、小学生から70代まで60人の麻雀愛好者と、内川さん含む4人のプロが参加し、和気あいあいとした雰囲気の中で麻雀を楽しんだ。「結び」誕生までの経緯を追った。

最年少は小学生・市長も私用で参加

内川幸太郎さんの凱旋交流大会は、松本市岡田松岡の「ニューロン麻雀スクール松本校」で開かれた。壁には「ウッチーおかえり 世界一おめでとう!」の横断幕。臥雲義尚松本市長もプライベートで参加し、会場は祝福ムードに包まれた。
大会には、松本出身の町田志織さん、田村翔平さん、長野市出身の御子柴佑梨さんのプロ雀士3人も出場。参加者と会話しながら麻雀を打ち、対戦の合間にはサインや記念撮影に気さくに応じるなど、笑顔の絶えない大会となった。
最年少出場は筑摩小学校5年生の中村佳博さん。「臥雲市長と打った後、内川プロと打った。なんだか夢のようで、胸がどきどきしている。プロになりたい気持ちが強くなった」と目を輝かせた。

個人・団体・世界、舞台問わず活躍

約3千人ともいわれるプロ雀士の中で、Mリーガーになれるのはわずか40人。内川さんは2018年、所属する日本プロ麻雀連盟のタイトル戦で優勝すると、19年にドラフト1位で「KADOKAWAサクラナイツ」に加入。21―22年シーズンにリーグ優勝するなど、チームリーダーとして活躍した。
昨年5月、サクラナイツを契約満了で退団するものの、不屈の闘志で「EX風林火山」のドラフト会議指名オーディションを戦い、契約を勝ち取った。さらに、世界各国の約260人が出場した「世界麻雀TOKYO2025」で優勝。勢いそのままMリーグでも活躍し、25―26年シーズンのチーム優勝に貢献した。

「地元のため何か」先輩と思い形に

内川さんの活躍を長年見守ってきたのが、JR松本駅前の雀荘で店長をしていた北山彰さん(49、石芝)だ。松本深志高校を卒業後、プロを目指して精進した内川さん。高校の先輩でもある北山さんの店で働き、24歳でプロに。飛躍を誓って25歳で東京へ出た後も2人の交流は続き、悔しさも喜びも分かち合ってきた。
いつしか「松本を麻雀で盛り上げたい」が2人の共通の思いになった。「内川さん世界チャンピオン」の吉報が入ると、麻雀普及に長年取り組む「ニューロン」の深澤富二子さんが「今がそのときでは」と北山さんに助言。北山さんの心に火が付き、一緒に「SHINSHU雀コミュニティ 結び」を設立。内川さんの祝福を兼ねた交流大会を企画した。
「みんながプロと打てる機会を」と、地元出身のプロを呼ぶ提案をしたのは内川さん。「古里の大会に出場したのは初めて。すごくうれしい」と感無量の様子で、「ずっと、地元のために何かしたいと思っていた。今後も『結び』と連携して大会を続けていきたい」と話す。
松本は健康麻雀が盛んで、麻雀人口は少なくない。北山さんは「麻雀は知らない人同士があっという間に仲良くなる、不思議な力を持っている。この力を地域づくりに生かしたい。子どもから大人まで分け隔てなく麻雀卓を囲んで交流する文化を、松本で育みたい」と未来を見据えた。