「モネの師」人気の海景画など画業を網羅 ウジェーヌ・ブーダン展 松本市美術館8月30日まで

「印象派の先駆者」「モネの師」といわれるフランス人画家、ウジェーヌ・ブーダン(1824~98年)の画業を紹介する作品展が8月30日まで、松本市美術館(中央4)で開かれている。海辺の景色などを題材に、移ろいゆく大気や色の一瞬を捉えた作品が、来場者の目を引きつけている。
フランス北部ノルマンディー地方の港町に生まれたブーダンは、海や帆船、浜辺などがモチーフの「海景画」で人気を博した画家。画家のコローから「空の王者」とたたえられたように、空や雲、海面などの豊かな表現が高く評価された。
32歳の時、16歳の少年だったモネの「カリカチュア」作品に目を留め、その才能を見いだした。連れ立って屋外創作するなど、風景画の世界へいざなった。生涯にわたり家族ぐるみの付き合いを続け、〝印象派の巨匠モネ〟に大きな影響を与えたとされる。
今展は、初期から晩年までの画業を網羅している。注目は、ブーダンがサロンで高い評価を得た60代の作品と、妻の死をきっかけにより深く自分の表現を追求するようになった晩年の作品群。軽やかな筆致で、刻々と変化する雲や海面の色の一瞬を捉えつつ、輪郭がはっきりしない、とろけるような色使いにより、今にも動き出しそうな絵になっている。最晩年にベネチアの海辺の街並みを描いた連作は圧巻だ。
同館学芸員の中澤聡(あき)さんは「見ていると、その風景の中にいるような感覚になり、その場所に行きたくなる。作品がたたえる空気感を堪能してほしい」と話す。
午前9時~午後5時。観覧料1600円、大学生・70歳以上の市民1100円、高校生以下無料。月曜休館。同館TEL0263・39・7400