
半分人間で、半分ゾンビ―。そんな主人公が活躍するブラックコメディー映画「ゾンビ1/2~Right Side of the Living Dead~」が9月、松本市の松本シネマライツ(高宮中)で上映される。監督を務めたのは、松本市出身で、東京都の総合エンターテインメントプロダクションに勤務する太田えりかさん(24)だ。
20代の社員に映画企画をプロデュースする機会を与える「M CINEMA」に応募。先輩と共に出した企画が通り、監督デビューすることになった。
ホラーは苦手だが、ゾンビは大好き。高校で部活の思い出ムービーを制作し、大学では自主映画製作サークルで短編のゾンビ映画を撮った。経験と強い思いが、「いつか映画のエンドロールに名前が載れば」という小さい頃からの夢をかなえた。
大好きなゾンビ映画これからも
「ゾンビ1/2~Right Side of the Living Dead~」。人類とゾンビの戦いでただ一人残ったゾンビが主人公。ゾンビにかまれながらも理性を保ち続けた〝半ゾンビ〟で、社会に受け入れられ会社員としての日々を過ごしている。ある日、会社のインターンの男性をかんでしまったことで、ゾンビパンデミックが勃発。主人公は世界を、みんなを救えるのか―。
企画、監督したのが、総合エンターテインメントプロダクション、メディアミックス・ジャパン(MMJ=東京都)の太田えりかさん。同社が若手社員の意識向上やスキルアップなどを目的にした企画「M CINEMA」に応募。採用され、取り組んだ。
松本市出身。映画、特にゾンビ物が大好き。「もともと人間。映画を見ているうちに、かわいそうと思うようになった」。映画のエンドロールを見て、多くの人が製作に関わっていることに感動。「小さい頃からエンドロールに載りたい」と思っていた。松本深志高校のダブルダッチ部で、思い出ムービーの編集などを担当。映画作りに興味を持った。
京都の同志社大に入学し、自主映画製作サークルに所属。ゾンビの短編映画を手がけた。「ゾンビは人を襲って肉を食べるイメージだが、ビーガン(完全菜食主義者)のゾンビがいたら」というユニークな発想から生まれたのは「ゾンビーガン」。メンバーからは「めっちゃ面白い」と大好評だったという。
2024年、同社に入社。「M CINEMA」には1年目から挑戦、2年先輩でプロデューサーを務めた柳沢太介さん(36)と共に応募した内容で採用された。当初はヒップホップとゾンビを合わせた作品だったが、似た設定のドラマが以前あったことが分かり、一からやり直しに。「半分ゾンビ」にたどり着いたという。「既にあるものでなく、違うゾンビにしたかった。ビジュアルが真っ二つだったら独創的」と太田さん。
採用はされたが、劇場映画作りは全くの素人。準備はどうしたらいいのか、現場はどう進むのか―。「何が分からないのかも分からない」状況だったという。「やめたい」と思ったことも一度や二度ではないが、諦めなかった。社内で映画監督を務める先輩に教えてもらうなど、勉強しつつ取り組んだ。
「自分のイメージを、いかに分かりやすく伝えるかが大事だと気づいた。みんなが自分のわがままに付き合ってくれて本当にありがたかった」
昨年11月2日にクランクイン。7日間で撮影した。12月には編集にかかり、1月31日に完成。主題歌も作った。試写会は緊張したが、「笑ってくれる人も多く、ほっとした。エンドロールを見たとき、小さい頃の夢がかなったと実感した」
東京の大森、渋谷、大阪の梅田、沖縄、長野市などですでに上映。松本では9月4~10日、松本シネマライツで。「肩の力を抜いて、親子でも見られるB級ブラックコメディー映画。ぜひ、劇場に足を運んで」と太田さん。今後もゾンビ映画を作り続けたいという。
松本シネマライツTEL050・6883・3095