【中村小太郎・自然派生活】#29 育て、仕込み、食べる―みそで食育を

「いただきます」。なんてすてきな言葉でしょう。命あるものに対する感謝と敬意を「いただきます」と声に出して表してから食事を始める。このような習慣は日本独自のもののようです。
この言葉を題名に使った映画があります。「いただきます みそをつくる子どもたち」(2017年、イーハトーヴスタジオ=現・まほろばスタジオ=制作、オオタヴィン監督、石田ゆり子ナレーション)です。
福岡県にある「高取保育園」を舞台に、毎月100㌔のみそを自分たちで仕込む園児たちの姿や、日本の伝統的な食養生や「医食同源」に基づいた食育を実践する保育園を追ったドキュメンタリーです。みその造り方を伝授する「引き継ぎ式」の様子も劇中に出てきます。全国600カ所、累計千回以上上映されたロングランヒット作です。
私も鑑賞して感動し、何度か子育て中のママさんたちと上映会を企画しました。そのご縁でオオタヴィン監督とは、上田映劇(上田市)でトークショーにご一緒することができました。
塩尻市では、自校給食や子どもたちの食育などを担う栄養教諭の先生たちが、有機給食の実現に真剣に取り組んでいます。「自然栽培コシヒカリ小太郎米」の田植えも一緒に行いました。
同市には、この地で開発された大豆の固定種「あやみどり」があります。塩尻市農業公社の方々が、ご苦労されながら60㌶の畑で栽培してくれています。
私は、市内10校の小学校にその大豆を使った「手前味噌造り」を提案しています。自ら育て、仕込み、食べる―。この一連の流れから、食への関心、感謝の気持ちなどを醸成させる食育効果が期待できます。
さらに市内の全ての小学校で「手前味噌で給食」が実現するよう、関わっていきたいと思っています。
ちなみに食後の「いただきました」は長野県でも使われる方言です。こちらもすてきな言葉ですね。
(農業、塩尻市在住。次回は9月15日掲載予定)