
企画展「ウジェーヌ・ブーダン展 瞬間の美学、光の探求」を開催中の松本市美術館(中央4)で8月2日、作家・イラストレーターの杉全美帆子さんの講演会「ブーダン先生とモネ」が開かれた。杉全さんはイラストを使いながら、フランスの画家ブーダン(1824~98年)の人生や絵の魅力などについて解説。60人が耳を傾けた。
22歳で絵の道に進むと決意したブーダン。生計を立てるため、当時人気の題材だった「海景画」に注力。やがて港町や海水浴を楽しむ上流階級市民などを明るい色で描くようになった。
特に30代後半~40代前半、浜辺で遊ぶ上流階級を描いた「海浜画」が大ヒット。その後、戦争などで絵が売れない苦しい時代が続いたが、57歳の時に再び脚光を浴び、74歳で亡くなるまで創作意欲は衰えなかった。
ブーダンを師と仰ぐ、16歳年下のクロード・モネ(1840~1926年)とは、生涯にわたって家族ぐるみの付き合いをし、「ブーダンの妻とモネ一家が屋外でくつろぐ絵も展示されている。必見」と杉全さん。
静かな浜辺を描いた64歳の時の作品「ドーヴィル」が一番のお気に入りとし、「点のように描かれた遠くの人物が、生き生きと動いているように見えるのがすごい」と感嘆した。
ブーダンが描きたかったのは移ろう光、大気、空気感とし、それは後の印象派につながる、とろけるような筆致の作品。サロンでは評価されなかったが、売れる絵も手がけつつ自分の探究をやめなかったという。
杉全さんは「今展では、その両方が展示されている。見比べて楽しんで」と話した。
作品展は30日まで。1600円、大学生・70歳以上の市民1100円、高校生以下無料。月曜休館。同館TEL0263・39・7400