
目の前には雄大な北アルプス、眼下には安曇平。そこに夕焼けが加わったら、なんてロマンチック! 池田町のあづみ野池田クラフトパーク(会染)内にある北アルプス展望池田食堂臣喰館や店舗前に広がる芝生広場などを「恋人たちの聖地」にしようという動きが、7月から始まった。
仕掛け人は同食堂スタッフの濱重俊さん(81)。全国的なイベントの会場となったことがあり、絶景ポイントでもある同パークが、あまり知られていないことを残念に思っていた。知名度を高める方法を模索し、幻想的な夕焼けに注目した。
雰囲気と一緒に味わってほしいと、サンセットタイム(午後3~7時)に、同町の特産品を使ったメニューを考案し、提供している。濱さんは「池田の新しい名所にしたい」と意気込む。
美しい景色が彩る甘い時間を
北アルプス展望池田食堂臣喰館がある、あづみ野池田クラフトパークは標高634㍍。正面の有明山など北アルプスの雄大な姿と、屋敷林が点在する安曇野の田園風景が見られる絶景スポットだ。日本の原風景を思い出させるとして、県が認定する「信州ふるさとの見える丘」の一つに選ばれている。
同パークは、全国から「池田」がつく自治体が集まる全国池田サミットの第11回(1995年)と18回(2002年)で、植樹会場となり注目された。ただ、今では訪れる人が少ない印象だ。
「これだけの〝宝〟に目を向けないのはもったいない」と奮起したのが、臣喰館スタッフの濱重俊さんだ。
美しい北アルプスの山々や安曇野の田園風景が、夕焼けで染まるとさらにインパクトがあった。日没前後の「マジックアワー」があまりにロマンチックで、「恋人たちの聖地」になるのではと思いついたという。
臣喰館の通常営業は午前11時~午後2時だが、空き時間の午後3~7時を「サンセットタイム」と銘打ち、通常とは違うメニューで営業することにした。
提供するのは、池田町の特産品、ガーデンハックルベリーを使ったオリジナルのカフェメニュー。果実入りの「ハックルベリークラフトコーラ」(600円)を新たに開発した。ノンアルコールカクテル(600円)は、クランベリージュースなどを使った「クランベリーミルク(甘い恋)」、「カシスオレンジ(大人の恋)」などを用意。パウンドケーキとのセット、スパイスカレー(1100円)などもある。
ガーデンハックルベリーはナス科の植物。ポリフェノールの一種のアントシアニン、ビタミンC、カリウム、鉄分などが豊富に含まれており、池田町で栽培を通じた町おこしが進められている。アントシアニンはブルーベリーの数倍といい、濱さんは「目の健康、アンチエイジングなどが期待されている」と力を込める。
クラフトパークは17・6㌶。500本のさまざまな桜が植えられ、春には花が楽しめる。秋には紅葉と、四季折々の魅力満載だ。芝生広場もあり、のんびりできる。
夕焼けを楽しみながら店内でドリンクを味わったり、散歩をしたり。「恋人たちにロマンチックな体験を楽しんでほしい」と濱さん。手書きのポスターなどでPRも始めており、広がりを期待している。
臣喰館の隣地にある北アルプス展望美術館(町立美術館)との連携も検討するという。家族や友人と行っても楽しめる場になっていきそうだ。
臣喰館のサンセットタイムは水~日曜(通常営業は月曜定休)。0261・85・2733(午後3~7時)。10人以上は予約が必要。