
安曇野市明科七貴の降旗香代子さん(77)は「アトリエ藍」を主宰し、創作粘土人形と、金や銀の細いワイヤから作る花などの装飾品を制作・指導している。両方を組み合わせて生み出す人形は降旗さん独自の世界といわれる。9月5日から、同市穂高有明のカフェ&ギャラリー安曇野縁縁で個展「浪漫DOLL(ろまんドール)」を開く。
「ロマンドール」は、降旗さんが所属する創作粘土人形グループ(大阪府)の創始者・大久保奈稚子さんが片仮名で名付けた。降旗さんは2005年に学び始め、09年、同グループの講師資格を得た。
ロマンドールには紙粘土と陶磁器粘土を使うものがあるが、降旗さんの作品はほとんどが陶磁器製。顔に表情をつけた後、粘土で衣服や手足、髪などを成形。その後、1100度に熱した電気炉で素焼きし、ひびなどを直してから釉薬(ゆうやく)を全体に施し乾燥。最後に同じ温度で本焼きして完成する。
「陶磁器なので、ひびが入ったり縮んだりと、いろいろある」と苦笑する。陶芸家の悩みと共通のようだ。
ワイヤから作る「オルネ」(フランス語を語源とする造語で、金属装飾の一種)は2010年、他の人の作品を見て触発され、「オルネフラワー協会」(東京都)系列の先人に学び、13年、同協会の「公認校」に指定された。
純度の高い24金や銀のメッキを施した細いワイヤを使用。「資材のほとんどが輸入品。時間をかけて仕上げる」と言う。
陶磁器人形にオルネ作品を組み合わせたのは15年ごろから。「好きなもの同士を合わせただけだったが、批判も受けた」と思い返す。
縁あって19年、スペインの美術館で作品の展示が決まり、「OIRAN」を発表した。着物、帯、かんざしなど、すべてを陶磁器粘土で成形し焼き上げた花魁(おいらん)の人形にオルネの花を取り付けた作品で、現地ではメディアにも取り上げられた。「この頃から自分のやり方に自信が持てるようになった」
その後、フランスや米国など10カ国近くで「わらべうた」「INORI」などを展示。国内でも「不死鳥」「ある晴れた日に」などを発表している。
個展「浪漫DOLL」は、「会場の関係で、大きな作品は展示できないが、10~25㌢ほどの高さの作品をメインに、半立体の額装作品も並べる」という。5~22日午前9時~午後5時(最終日は4時)。水~金曜休み。問い合わせは縁縁TEL090・1545・1787