【亜矢子先生に聞いてみよう!】#19 朝読書でマンガを読みたい

Q 子どもはマンガが大好き。学校の朝読書の時間にも読みたいけど禁止だそうです。「どうして駄目なの?」と聞かれます。(小学6年男子の母)

文章から想像して世界が広がる

A 日本のアニメやマンガは、今や世界の文化交流の主要ツールになっているほど素晴らしい文化です。私も大好き!学習にもお薦めしています。では、なぜ朝読書では禁止なのでしょう。
皆さんは「ドラえもん」と聞いて何を思い浮かべますか?そう、あの水色のネコ型ロボットですよね。では「赤毛のアン」は?「走れメロス」は?登場人物がどんな顔で、どんな生活をしていて、何を大切に生きているのか。本だと文章だけ読んでイメージしなければなりません。なんて不親切なのでしょう(笑)。
頭の中をフル活動させ自身の体験を総動員するので、自分独自のアンやメロスが脳内に生まれます。それは百人百様で一致させる必要はない。子どもは経験値が浅くて分からないことも出てきます。しかし、それ自体も「体験」です。
これって何?どんな気持ちになる?なぜなんだろう?どうなるんだろう?あらゆる疑問が学びのスタートです。実際の体験が一番だけれど、本は想像で独自の世界を広げてくれます。さらに作者や出版社の思いが詰まった装丁、厚み、色合い、におい、手触り、重みなども、デジタルでは得られない体験の一つです。
朝読書は効果があるからこそ30年以上定着しているのです。マンガよりもっと「親切」な動画にはまり、読書どころではない子はいませんか?強制的?!に「本」を読ませる学校の朝読書に感謝です。
「受験は今のところ文章で出題されていて文字を読む訓練は大事。だから図書館の先生にお薦めの本を聞いてごらん」と言ってみてください。(小島亜矢子さくら*みらい塾代表)