【亜矢子先生に聞いてみよう!】#23 家で動画を見てばかり

Q 毎日、家で動画を見てばかり。もう少し勉強のために努力してほしいのですが…。(小学4年男子の母)

アウトプットして「好き」を「能力」に

A 動画をずっと見られる環境を与えたのは親なのに、「勉強に努力」とはなかなかハードルが高いですね。「やればできる!」のお笑いコンビ・ティモンディの高岸さんは大好きですが、「努力をすれば何でもできるはずだ」には疑問を感じます。それって本当?無理やり勉強した結果、本当にみんな幸せ?
こんなに多様化している今、個々への適切なアドバイス無しに教科学習をやらせると、学習ではなく作業になり、「努力しなさい」はむしろ勉強嫌いにさせてしまう恐れがあるのです。
ここで考えるのはテレビで活躍している東京大生。勉強が嫌いなのに努力したのかな?イチローも大谷も野球が嫌いなのに練習をしたのかしら?私は努力には限界があると思っています。ただ限界がないものがある。それは「好き!」です。
飽きずに花の種を何百と数えたり、紙をひらすら小さく折ったり、小さな虫を見続けたり…。いずれも私の子どもが幼い時のことです。子どもの没頭力はすごいですね。
好きな物や人のためなら苦労もいとわない「オタク」とか「推し」とか呼ばれる人たちが、みんな幸せそうに見えるのは私だけでしょうか。興味を持って没頭できる「何か」は人それぞれです。そして感じる幸せもそれぞれ。だからこそ世の中は面白い。ただ動画は、個人の趣向を推測し、飽きる前に次々と展開して脳を刺激し続け、半強制的に没頭「させる」もの。大人も利用にはご注意を。
では、もうすでにこの状態にいるお子さんを、自身の学びに発展させる方法を一つ提案しますね。(1)見た動画の解説をすることを、見る条件にする(2)何が面白いのか、作成者の工夫などを1ページ分、文章や図などで具体的に書かせる(3)次回はどんなことを目的に見たいかプレゼンさせる。
つまりただ見ているだけでなく、アウトプットを組み込むのです。初めは面倒でも「好き」なことへの努力は、苦労と感じなくなります。そこから教科学習につながることもあるし、親子の交流にもなります。「好き」が「能力」に変わる様子をぜひ楽しんでください。(小島亜矢子さくら*みらい塾代表)