【亜矢子先生に聞いてみよう!】#29 姿勢の悪さどうしたら?

Q 姿勢が悪いのが気になっています。すぐに頬づえを突いたり、足を椅子に上げたり…注意してもすぐ戻ってしまいます。(小学2年の母)

心身ともに成長途中簡単な「筋トレ」を

A 昔は背中に長い物差しを入れて姿勢を矯正する、なんてあったなあ(笑)。姿勢が悪いと学習に集中してないように感じる、食事の時などはつい「行儀が悪い!」と叱ることも。その瞬間は直っても、すぐ元に戻ってしまう…という経験は、どの家庭でもあるのでは?でもそれは、お子さんがだらしないとか、やる気がないとかばかりではないかもしれませんよ。
幼い子の姿勢が崩れる原因の大半は、机にちゃんと座っていられる筋力が付いてないからです。大人も意識してきちんと座ったり、歩いたりすると疲れませんか?だから「この子にとって姿勢を保つのはまだ身体的に難しい」と心に置いておくと腹が立ちません(笑)。
ではどうすれば?実は特別な筋トレよりも小さなことでいいのです。できるだけ階段を使う、雨の日は傘を差して歩く、家の中ははだしで過ごす、お風呂で背中を自分で洗うなど。学校が「歩いて登校させてほしい」というのは、景色を見たり自分を内省したりして「心を整える+体づくり」の基本だからだろう―と。私のお勧めは掃除です!床の雑巾がけ、窓ふき…映画「ベストキッド」です!
もちろん椅子に座って良い姿勢を保つ練習をすれば、必要な筋力が付くでしょう。ただ学習中に姿勢が崩れたことを叱ると、学習自体が嫌いになってしまう危険もあります。学習は修行ではないのです。だから学習時の姿勢が気になるなら、時間を決めて5分、10分…と見守ってあげてください。
心身ともに成長途中のお子さんには「お行儀」という精神論ではなく、必要な筋力が付く体づくりとなる活動を日常にさりげなく入れていく。動画やゲームなら「椅子に深く座って腰骨を立て、膝を閉じ、腕を伸ばして」などをルールにしたらどうかしら。なかなかキツイですよ(笑)。
でもできれば自然の中、親子で遊んでください。景色を見ながら歩くだけでもいい。親子で体を使って体験した思い出は、子どもの宝物になりますよ。(小島亜矢子一般社団法人こどものみらい舎代表)