Q 小学5年生で「は・じ・き(速さ・時間・距離)」を習ったはずですが、文章題になると使いこなせていないように感じます。(小学6年の母)
日常生活で速さと時間を意識
A 「A君は家から1200メートル先の図書館で午前9時にBさんと待ち合わせをしています。8時45分に家を出ると、分速何メートル以上で歩けばいいですか」。大人の皆さんはお分かりでしょう。でも子どもには大問題です。なぜか?
「分速(速さ)=1分間に進む距離」ということが分からないから。そんなこと考えたことがないですものね。「は・じ・き」とか「み(道のり)・は・じ」とか、学校で覚えてくる魔法のような法則は、とりあえず今、数字を入れれば点数は取れる代わりに、「あっそうか!」とふに落ちるような理解には至らせてくれない。「計算はできるけど文章題になると分からない」との相談はとても多いです。
計算ドリルは、パズルのように法則を覚えれば〇をもらえるけれど、正確さや速さはAI(人工知能)には勝てません。大切なのは、大量高速な計算の繰り返しよりも、意味や考え方。得た知識は「使える」ようにしてあげたい。お母さんが気づいた今こそ、「公式に入れれば何とかなる」から脱却するチャンスです!
今回の「は・じ・き」については、日常生活の中で、お子さんのために「速さと時間を意識させる」を親も意識してみてください。
例えば「分速60メートルで歩くと5分で郵便局に着くんだけど、家からの距離は分かる?」「おばあちゃんの家まで50キロあるけど、車で今から出発して時速50キロの速さで行くといつごろ到着するかな?」などと聞いてみる。あるいは一緒に目的地に向かう時に、車のナビに出てくる数字を使い「赤信号で止まったから、予定時刻より少し遅く着いたのかな」といったように体感する。
車に乗ったときデジタル画面に子守をさせるよりも、「遊ぶように考え学ぶ」をやってみませんか?移動時間は学びの宝庫です!(小島亜矢子一般社団法人こどものみらい舎代表)