【亜矢子先生に聞いてみよう!】#34 九九の暗唱できず不安…

Q 算数がとても不安です。3年生になりましたが、まだ九九が完全に暗唱できません。小6の兄も忘れていることがあります。下の子も来年が心配です。(小1、3、6年の母)

「耳」でなく「目」を使って覚える方法も

A 幼い子どもは意味のない言葉を覚えたり、変な言葉を連呼したりして面白がることがありますよね。だから小学校に入って2年目に体系的なものを学びつつ、意味はよく分からないけどとりあえずリズムよく声を出して唱えて覚えよう!というのはありだと思います。
ただそこに潜む問題は、「九九を暗唱して記憶する」ことが苦手な子がいることです。できないと「みんなできるのに自分だけダメだ」と劣等感を覚え、勉強嫌いになっていく…そこで暗唱が苦手な子に一つ提案します。「耳」ではなく「目」を使う方法です。
まずA4サイズの紙に〇を大きく書いてください。中にTの字を書いて区切ってください。そこに、数字を書き入れます。例えば上に28、下に4、7というように。
この図で覚えてほしいのは、「4と7と28は関係がある三つの数字」ということ。下の二つの数字は掛け算で、上の数字が答え。「し・しち」「しち・し」の答えは一緒だから、覚えるのが一つ減りますよね(笑)。
特に7の段は、中3でも「思い出す」のに苦労する子もいます。でも視覚でこの型を覚えておけば、九九81個をすべて覚えなくてもいい。そしてこれ、見て気づいた方もいるのでは?28を7で割ると4。4で割ると7。そう、実は割り算なんです。
これは分数の形でもあります。「関連する三つの数字」、1の段を抜かせば全部で36枚。食事場所やトイレなど、よく見るところに貼っておきましょう。お子さんに説明して「今日はどれにする?」と選ばせてみたり、「攻略したら次のを貼ろうか!」と提案したり。九九を習う前からでも遊びとして、家族で楽しむのもいいですね。(小島亜矢子一般社団法人こどものみらい舎代表)