【亜矢子先生に聞いてみよう!】#35 「自分の部屋」作るべき?

Q 息子が勉強に意欲がなく困っています。テスト勉強もせず、点数も平均点以下。リビングでの勉強はいいと聞きますが、自分の部屋があった方がいいのでしょうか?(中学1年男子の母)

「自立の第一歩」成長に合わせて

A お母さんも薄々は感づいていると思いますが、「自分の部屋がある=勉強の意欲が上がる」とは限らない!ということをまずはお伝えします(笑)。
家での問題は、子どもの個人差だけでなく家庭状況の違いが大きいので、個々でアドバイス内容は大きく変わりますが、確かにリビング学習は小学生くらいまではすごくいいです。家族がそばにいることで、安心感と緊張感の中で学習に向かえます。
で、中学生。環境が許すなら自分の部屋をつくってあげてほしいと思います。ただ、自分の部屋ができたら学習するようになるわけではなく、お子さんの今の状態から察するに、彼は勉強の仕方が分からない、もしくは学校の勉強をする必要性を感じていないというところを考える必要があります。
だから「自分の部屋=大人への自立の第一歩」と捉えるのがよいかと。中学時代は心身の成長が著しい時期であるだけでなく、特に中1は小学校より環境が大きく変わります。学習内容が難しくなり、部活もあって忙しく、先輩後輩の関係、クラスでの友達関係など考えることがたくさんあります。
もし自分の城(部屋)があれば、一人で心を休めたり自分と向き合ったりする時間ができるかもしれない。いつか必要と感じた時に、自ら机に向かいだすかもしれない。一人でいる時間って誰にとっても大切な気がします。
また、お子さんを「他律から自律(自分を律する)」へと促すチャンスでもあります。例えばゲームや動画が家庭生活の中心になっていて心配なお子さんには、成長にとって重要な「良質な睡眠」を守るため、最初に話し合いましょう。
リビングにデジタル機器の置き場所をつくり、寝る1時間前などに必ずそこに置き、自室には持ち込まないというような工夫を、最初にするとよいです。他にも家族がお互いに大切なことを話し合うといいなと思います。(小島亜矢子一般社団法人こどものみらい舎代表)