【亜矢子先生に聞いてみよう!】#38 古文の内容が難しい…

Q 国語は好きですが、古文の内容が難しいです。今使わない言葉を勉強しなくてもいいのにと思います。(中学2年女子)

リズムや「推し」まずは慣れる

A 小学生の頃、『竹取物語』や『枕草子』などを暗唱したのでは?そして大人も「春はあけぼの~」「祇園精舎の鐘の声(平家物語)」など、今でも何となく言えちゃう人が多い。若いときに意味は分からず?とも、音とリズムで覚えたものはしみついているみたいです(笑)。
中学生になり古文は文法が難しいし、昔の言葉なんて…というあなたに私は「まず慣れる」をお勧めしたい!本当は小さい頃からやるとよいのですが、今からでも「百人一首」をやりませんか?五七五七七の言葉をラップ調のリズムで口に出してみて。実はその中に学ぶ文法が入っています。「100人は無理だよ」と思う方。最近は「五色百人一首」もあるので、20人から始められますよ。
さらに絞って「この人好きかも」と思う「推し歌人」を強引に1人決めてみてください。百人一首の歌人は、天智天皇や紫式部、清少納言、菅原道真、源実朝(鎌倉3代将軍)、紀貫之、藤原氏など、日本史の教科書に載っている人がいっぱい!意識してみてください。
また古文は「誰が(誰の)」を必ず入れる英語と違い、主語がない文章が多いです。少ない情報から千年以上前に生きた人の感性や考え方を知ろうとすることは、イメージの訓練にもなります。そういえば今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」の舞台は平安時代。ぜひ見て世界感を感じてみて!
他にも古文からなる慣用句「けりをつける」、「待ち人来たらず」のおみくじ、「静けさや~」など俳句、「うさぎ追ひしかの山~♪」「風立ちぬ」も現代の日常に潜んでいる古語たちです。だから古文学習を「つらい勉強」と構えず視点を変えたとき、自分にとって「古いけど新しい日本語」があふれる古文の世界が、あなたを豊かな言葉の使い手にするに違いない!と私は思います。(小島亜矢子一般社団法人こどものみらい舎代表)