5月3日から全国公開された映画「水深ゼロメートルから」(山下敦弘監督)の先行上映会が4月26、27日、松本市内で開かれた。主演の一人で松本市出身の俳優、花岡すみれさん(20)がトークイベントや舞台あいさつに登壇。山下監督(47)と撮影の裏話や作品の魅力を語った。
同作は、水のないプールを舞台に、4人の女子高生たちがそれぞれの悩みや思いを語り、時に気持ちをぶつけ合う青春群像劇。花岡さんは、他の3人より一学年上の“ユイ先輩”を演じている。
原作は2019年、当時高校3年生だった中田夢花さんが書き下ろし、第44回四国地区高校演劇研究大会で最優秀賞を受賞した戯曲。21年には舞台化もされ、ここでも花岡さんはユイを演じている。
今回製作された映画は、一人一人の純粋な思いを丁寧に表現する俳優陣の力量と、女子高生の等身大の姿を捉える山下監督の感性が掛け合わさり、スクリーンに青春を焼き付けたような作品に仕上がっている。
先行上映会はNPO法人松本CINEMAセレクト(事務局・山形村)が開催。26日夜の回は約40人が鑑賞し、上映後の花岡さんと山下監督のトークに耳を傾けた。
山下監督は「職業脚本家には書けない、良い意味での“青臭さ”がこの作品の魅力。彼女たち4人がしっくりくるものを撮ろうと思い、話し合いながらシーンを作った」、花岡さんは「見るタイミングや状況で、感情移入する人物が変わる作品。高校生はもちろん、先生や大人にも見てもらいたい」と話した。
イオンシネマ松本で上映中。